ロッテの「キシリトール咀嚼チェックガム」、「かむ力」をアプリで可視化し健康リスクを特定へ
――開発の経緯を教えて下さい。 「キシリトール咀嚼チェックガム」は、当初ガムを噛んで総入れ歯の噛みやすさを判断できるツールとして開発しました。東京医科歯科大学(現在は東京科学大学)と共同で1997年から研究・開発を始め、2004年に歯科医院専用商品として発売を始めました。 ガムができる前には、一般的にピーナッツを使って咀嚼力を測っていました。ピーナッツを咀嚼してもらい、咀嚼前後の重量減少の割合で咀嚼力を評価しました。しかし、この測定には時間と手間がかかる上、研究施設など限られた場所でしか測定できないものでした。 噛むことで色変わりするガムのアイデアにたどり着き、ガムの色変わりの状態によって咀嚼能力を評価する、現在の咀嚼チェックガムに近い形状になりました。そして、2023年に「咀嚼チェックアプリ」を開発しました。 ロッテにとっては、研究開発のアプリは前例がなく、どこに相談すればいいのか分からない時もありました。学術的な信ぴょう性も求められます。アプリ開発の構想は2017年に始まり、6年後の2023年にようやく完成しました。 ――利用者は増えていますか。 これまでのアプリの利用回数は累計で8万回を超えました。利用回数は着実に増えていき、直近では毎月2千回ほど利用されています。 「キシリトール咀嚼チェックガム」は歯科医院の専用商品ですが、オーラルケアに関心の高い自治体や小学校などの教育機関が配布することもあります。 アプリを使ったからといってすぐにガムの売上高が増えることにはつながらないと思っています。このサービスでは、咀嚼能力の重要性を伝えることに意義があります。 現状の健康状態に関心を持ってもらうことに加えて、咀嚼への意識も高めてもらうことが狙いです。具体的な売上目標はたてていませんが、健康の啓発はサステナビリティ目標の一環なので、重要な取り組みと位置付けています。2028年までにアプリの利用回数100万回を目指しています。 ※ロッテの「キシリトール咀嚼チェックガム/咀嚼チェックアプリ」は、オルタナとサステナ経営協会が共催する「サステナブル★セレクション2024」の三つ星に選ばれました。次回の一つ星エントリーは、2025年1月14日まで受け付け中です。エントリーフォームはこちら:https://www.alterna.co.jp/135966/