円が対ドルで1%下落、一時156円48銭-ドル幅広く上昇
(ブルームバーグ): ニューヨーク時間5日午前の外国為替市場で、円が対ドルで1%下落。円売り・ドル買いの流れが強まり、一時1ドル=156円48銭まで売られた。
円の下落幅は1日として約1カ月ぶりの大きさ。直近では、156円15銭前後で取引されている。
この日発表された米経済指標では、米供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合景況指数が53.8と、前月の49.4から上昇。ブルームバーグがまとめた市場予想の51を上回り、ドルを押し上げた。
ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏は5日、米経済指標の発表前に「ドル円相場のトレンドは依然、米国の主要経済指標に左右されている」と指摘。「キャリー取引の巻き戻しが続くには、まだ材料が必要だ。短期的には7日の米雇用統計がそうなる可能性がある」と述べた。
この円の下落は、円安に歯止めをかけようとする日本の当局による取り組みが今のところ限定的な効果しかもたらしていないことを示唆する。鈴木俊一財務相は4月末から5月末までの1カ月間に総額9.8兆円を費やした為替介入について「一定の効果があった」と擁護したが、日米の金利差が円相場を引き続き圧迫。トレーダーらは米連邦準備制度の年内利下げが可能になる兆しに警戒を続けている。
ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのグローバル為替責任者、ブラッド・ベクテル氏は「ドル円相場は、水に沈めてもそのうち浮かんでくるビーチボールであり続けるだろう」と述べ、「しばらくの間は」155円から160円のレンジにとどまるだろうと予想した。
原題:Yen Drops 1% Against Dollar Amid Broad Gains for the US Currency(抜粋)
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Anya Andrianova, Rumi Shiohara