若くして早期退職・FIREしたいなら、早朝から深夜までの「異常なハードワーク」も当たり前…決してラクをしようとしてはいけない“納得の理由”
大変な努力を重ねるよりもできるだけ楽してFIREしたい。そんな風に思っていると、思わぬ落とし穴にハマってしまうかもしれません。本記事では29歳でFIREを達成したヒトデ氏の新刊『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』(徳間書店)より一部を抜粋し、その理由を33歳のハードワーカーのエピソードとともにご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
〈登場人物〉 ・佐藤智也…FIREしたいと願う25歳会社員。不思議なネコ小鉄を拾った。 ・小鉄…1万回生きたネコ。人間の言葉を話す。これまでの猫生で見てきた飼い主たちのFIREの成功と失敗の記録を共有できる。今回は過去の飼い主である藤林拓海(33歳)の記録を智也に共有。 ・藤林拓海…小鉄の元飼い主。
FIRE成功パターン:藤林拓海(33歳)男性
出社前からめちゃくちゃ働く 彼の部屋は、きれいにしているが、年季を感じる造りだった。僕の築25年のアパートよりも、さらに古い建物のように見える。 朝5時30分、アラームの音が響き渡る中、拓海さんはベッドから起き上がった。 外はまだ薄暗いが、彼にとってはもう日課の始まりだ。彼はまず身支度を整えると、リビングにあるデスクへと向かう。パソコンを立ち上げ、メールチェックと物件検索を開始する。管理会社からの連絡、そして新規で出てきている物件のチェックをしながら朝食を簡単に済ませ、スーツに身を包んで家を出る。 通勤電車の中でも、スマートフォンを片手に不動産会社からの直接の物件紹介情報のチェックや、新規購入物件についてのやりとりを行う。その合間に、気になる不動産ニュースや市場動向の記事をチェックすることも欠かさない。 「既にめちゃくちゃ働いてる……。まだ6時前なのに」 「FIREを目指す人は、圧倒的に出社前に働く人が多いですね。誰にも邪魔されず、自分の仕事に集中できるからでしょう。わたしは眠いので無理ですが」 「わかる。僕も朝は無理だ」 夜行性の自分とは違って、あなたはただ怠惰(たいだ)なだけでは? とでも言いたげな雰囲気は無視して、再び拓海さんの様子に目を向ける。 並々ならぬ努力と時間管理 オフィスに到着すると、9時から本業の仕事が始まる。拓海さんはIT企業のプロジェクトマネージャーとして働いており、業務は多岐にわたる。 ミーティング、クライアント対応、プロジェクトの進捗管理など、目まぐるしいが常にスケジュールを把握し、効率よく業務を進めることに努めている。 昼休みになるとランチに出かけるが、スマートフォンを手放すことはない。電話やメールに対応しながら食事を取ることがほとんどだ。内見の予約の電話をしたり、不動産管理会社や金融機関との打ち合わせが入ることがしばしばある。 午後も忙しく働き、仕事が終わっても拓海さんはすぐに帰宅をしない。当たりを付けた物件の現地視察と、周辺の不動産屋にヒアリングに向かう。移動に時間はかかるが、現地に行って周辺環境も含めて判断するのをとても大切にしている。 ネットの情報だけではなく、実際に話していく中で得られる情報は役に立つことがとても多い。 そして夜遅くに帰宅しても、まだ彼の一日は終わらない。夕食を簡単に済ませた後、再びパソコンに向かい、その日の業務の振り返りや翌日の計画を立てる。 物件の管理状況を確認し、必要な対応を行うことも欠かさない。 夜11時を過ぎ、ようやく一日の業務が一段落すると、拓海さんは短いリラックスタイムを取る。ストレス解消のために軽いストレッチをしたり、短い瞑想(めいそう)を行うことが日課だ。そして、翌日のために早めに就寝する。 拓海さんの平日は、朝から晩まで忙しさに満ちている。彼は本業と副業の両立を見事にこなしているが、その背後には並々ならぬ努力と時間管理のスキルがある。
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