りんご1個でタルト・タタン。
フランス料理とワインを愛する料理家、平野由希子がご紹介する季節のレシピ。今回ご紹介するのはこんなスイーツ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー フィガログルメ班を唸らせる、ニッポンの美酒。 久しぶりにタルト・タタンを焼いてみました。甘いものはあまりつくらず、買う専門なのですが(昔はお菓子の仕事をしていたのですが......)、紅玉やグラニースミスを見かけると、つくりたい気持が疼きます。 タルト・タタンはりんごをたくさん使って、マンケ型という型で焼きますが、今日は直径10㎝のココットでつくることに。りんご1個で小さなタルト・タタンが1個できるという寸法。 小さいというだけで、つくるのも結構簡単。日本のりんごは水分が多いので、フランスの家庭料理レシピそのままでつくると、なかなかうまくいきません。煮詰めたり、水分を飛ばすために焼いたりと、それなりに工程があるのですが、お菓子屋さんで売られているような美しいタルト・タタンは目指さずに、失敗しない程度の工程でシンプルにつくりました。 ぺろっと食べてしまったので、今度は大きいタルト・タタンを焼くことにしようかな。
タルト・タタン
<材料 直径10㎝のココット2個分> りんご(紅玉、グラニースミスなど) 2個 バター 30g グラニュー糖 60g パイシート 適量 1. りんごは12等分のくし形切りにする。型の底にクッキングシートを敷いておく。 2. フライパンにバターを入れて熱し、溶けてきたらグラニュー糖を入れて濃いめのキャラメル色になるまで焦がす。時々かき混ぜる。 3. りんごを加えて10~15分、ふたをしないで煮る。濃いめのべっこう色になるまで煮たら、バットに空けて冷ます。 4. 型にりんごを隙間なく並べ入れ、煮汁も加える。 5. 予熱した180℃のオーブンで20分焼く。一度取り出して、スプーンで上から押し付ける。 6. 3㎜の厚さ、型に合わせて切ったパイシートをのせて、フォークで空気穴を空ける。さらにオーブンで12~15分焼く。 7. ひと晩おき、翌日はココットをお湯につけて少し温めて、ひっくり返す。
●平野由希子 フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ソムリエ料理家のワインを飲む日のレシピ帖』などがある。instagramは@8yukiko76hirano 料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com 愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir