「なぜ女子大へ…?」 娘と大学見学に訪れた父親に聞いた、女子大推しの「本音」
「女子同士のつながり」に期待
「在学生と卒業生とのつながりの強さが魅力的だと思っています」と言うのは、県立高校に通う次女(高2)とともに参加したBさん(45)です。自身が地方出身であることから、都会の私立女子大学の雰囲気を知りたいと思い、父子で参加したのだといいます。 「在学生も卒業生も、母校愛が強い印象を受けました。その思いが一致するからこそ、卒業生によるキャリア支援が充実したりもするのでしょうが、そここそ伝統のある女子大学ならではの良さだと思います」 父娘で外出する機会も多いというCさん(59)は、職場で多くの部下と接するなかで、「長く働き続けているのは女子大学出身者が多いのでは」と感じているそうです。共学の大学に進学した長女が就職活動で苦戦した姿を見ていたことも相まって、都立高校に通う次女(高1)には、女子大学に進学してほしいと考えています。 「これからは、ますます女性が活躍する社会となるでしょう。女子同士の強いネットワークを通じて、卒業後も長く支え合う関係を築けるのが女子大学の魅力なのかなと思います。娘にはぜひ、自分の興味に合わせた専門知識とスキルを深められるところを見つけて進学してほしい」と言います。今後も女子大学を中心にオープンキャンパスを回る予定だといいます。 神奈川県から訪れたDさん(50)も、「女子大学は就職に強い」と見ています。娘(高1)は私立の女子中高一貫校に通っています。 「大学選びの際は、就職率や就職先を重視したいと思っています。女性には出産や子育てなどがあって、紋切り型のキャリア教育では太刀打ちできません。女子大学には女子大学ならではの人脈があって、卒業生から実務経験に基づいたリアルなアドバイスがもらえたり、学生それぞれに合ったサポートをしてもらえたりするのも強みだと思います」
卒業生からのサポート
女性ならではのキャリア教育や就職に着目する声が目立ちましたが、大学側はどう見ているのでしょうか。津田塾大学経営企画課の五十嵐俊也課長は、次のように話します。 「皆さんがおっしゃっている通り、男性の目を意識せずに、自分らしく過ごせるところが女子大学の魅力の一つです。今回のオープンキャンパスでも、重たいスピーカーを女子学生スタッフみんなで一生懸命に運んだり、だれかしらが積極的にリーダーシップを取っていたりする姿を見て、たくましいなと感心していたところでした。津田塾大学の卒業生には、DeNAの創業者で会長を務める南場智子さんをはじめ、社会で活躍する方がたくさんいます。そうした社会で活躍する卒業生が、学生のキャリアをサポートする取り組みに大学として力を入れていますし、これからもその強みを生かしていきたいと思います。女子大学ならではの良さをぜひ見ていただきたいです」 女性ならではの教育を提供し、女性の社会進出を積極的に支援する女子大学で得られる学びやメリットを、男性社会で生きてきた父親だからこそ感じる部分もあるのかもしれません。 ※学年や年齢は取材時のものです。
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