大阪万博が盛り上がらなくても9年前は…ミラノ万博の「日本館」が“行列9時間の超人気パビリオン”になった納得の理由
行列中に前後の人と仲良くなるケースも
日本館の外観は、岩手県産のカラマツ集成材約1万7000本を、釘を使わずに組んだ“立体木格子”で囲まれている。が、その中に入る前に来場者は行列に疲れ切っているのではないか。20代の女性アテンダントに尋ねると、 「みなさん、やっと入れるのがすごくうれしそうなんです。2人くらいで来たのに行列の中で前後の人と仲良くなって、6人、8人のグループになっているケースも多いですね。長く待って入るせいか、初期のころより、館内を細かいところまでゆっくりとご覧になっています」 館内は、書家の紫舟(ししゅう)氏による書画がスクリーンに映し出される「プロローグ」なる部屋から始まる。人間と自然の共生の難しさを訴えているのだそうだ。 第1シーンヘ。「ハーモニー」という真っ暗な広い部屋に入ると、プロジェクション・マッピングで、水田や魚、エビ漁などが次々と映し出され、入館者から感嘆の声がもれた。 「暗い部屋に入ると、行列を作った外のことを忘れるみたいで、よく“すごくきれいだった”と声をかけていただきます」 と、こちらは30代の女性アテンダント。ここでは日本の食の産地を再現しながら、それを育む日本の自然や四季の移り変わりをアピールしているという。 *** 日本館では、日本の食材や料理などを映した多数の画像が次々と“流れ落ちる滝”や、映像の懐石料理を味わう特殊なシアターなども大評判になった。そしてもっとも大盛況だったエリアとは? 第2回【9年前のミラノ万博を席捲した「日本館」 大盛況のフードコートでイタリア人が「最高」と評した意外な日本食とは】は、実際に来館したイタリア人たちのコメントなども伝えている。
デイリー新潮編集部
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