【ピエール・エルメ】リカちゃん、浮世絵…日本の魅力を再発見
地元の稲作農家が作る米を飼料に育った鶏の卵とオリーブオイルを用いて、愛知県常滑市の生産者たちがつくる無添加マヨネーズ。「現地の方々が手作業で丁寧に作っているから大量に作ることはできない」とのこと。コクも滋味もありつつ洗練された味わいが好評で売り切れ率も高いが、ファン多し。 「たまご農家のこだわりマヨネーズ」<170g>¥1,296 /Made inピエール・エルメ 愛知県常滑市の卵を使ったマヨネーズほか、高知県産の人参をたっぷり使用した「キャロット ドレッシング」や同じく高知の生姜を用いた「ジンジャードレッシング」、愛媛県ほか国産の野菜を用いたピクルスなどが好評だ。各地の職人とのコラボレーションも積極的に行い、秋田県の蔵元集団とタッグを組んで作り上げた期間限定の焼き菓子なども話題を呼んだ。 人気商品のマカロンにも、ほうじ茶やシソなど日本ならではの食材を取り入れた、洗練されたフレーバーが登場。海外でも人気の高まる葛飾北斎や歌川広重の版画を基に、アレンジを加えた日本オリジナルのマカロンボックスも人気だ。また、食品だけでなく、福井の越前和紙などのクラフトも取り入れ、マカロンの包装紙として用いたこともある。 ルデュは北海道から九州まで各地に精力的に足を運んでいるが、「最近は足繫く長崎を訪れています」と言う。 16世紀、ポルトガル、オランダとの貿易によって日本にもたらされた砂糖文化の伝播を辿る‟九州シュガーロード“の物語を、現在に魅力的なかたちで甦らせようと、なにやら楽しいことを企んでいるようだ。ピエール・エルメ・パリの日本ならではの取り組みはさらに続く。
リシャール・ルデュ。ピエール・エルメ・パリ アジア支部代表。1972 年フランス・クレモンフェラン生まれ。14 歳で地元のレストランに入り、89 年よりお菓子屋で基礎を学ぶ。95 年にピエール・エルメと出会い、97 年にピエール・エルメがコンサルタントを務める「ラデュレ」のシェフ・パティシエに就任。98 年に「ピエール・エルメ・パリ」の立ち上げに参加。以降日本での統括シェフ・パティシエを経て、アジアでの展開の統括も担う日本代表に。2018 年、フランス農事功労章シュヴァリエを受章 BY KANAE HASEGAWA