津軽の話題になる弁当「ひとくちだらけ」 24種の郷土料理が「幸せ」
「つがる惣菜(そうざい)」(五所川原市一ツ谷)の弁当「ひとくちだらけ」が現在、Xで「選ぶ幸せがある」と話題を集めている。(弘前経済新聞) 【写真】24種の料理が入った「ひとくちだらけ」 話題を集めている弁当は、イカメンチやすしこ、若生(わかおい)おにぎりなど24種類の津軽地方の郷土料理を詰め込んだもの。Xではアカウント名「村中」さんが12月6日に「ひとくちだらけ」を「(略)あれはなんだ、これは特においしい、と思いながら食べる時間はとても幸せ」と投稿。12月9日現在、2600以上のリポスト、1万4000以上のいいねが寄せられている。 同社社長の下川原伸彦さんによると、「ひとくちだらけ」は2016(平成28)年10月から販売を始め、度々、テレビやSNSで話題を集めているという。注目を集めるようになったきっかけは駅弁の投票企画「JR東日本駅弁味の陣2019」で「盛付賞」と「Ekiben Ichiban賞」のダブル受賞したことから。全国ネットのテレビで紹介される機会が増え、SNSで投稿するネットユーザーも増えたという。 総菜店として営業していた同社が、駅弁の製造販売に参入したのは、東北新幹線新青森駅開業した2010(平成22)年。総菜店としての製造力を武器に10種の駅弁を手がけていたが、手間とコストをかけすぎていた課題が生まれ、新商品として思いついたのが同商品だった。「先代社長が駅弁10種に入っていたおかずを組み合わせて思いついた商品だった」と下川原さん。 おかずは50種あったため、弁当自体はすぐに完成したが、見た目が悪く、パッケージが決まらなかった。そこで目をつけたのが、高級チョコレートの箱。「お土産か何かで見つけてひらめいた。仕切りがあるので小分けにしやすく、見栄えも良かった。今度は24種を選定することが大変になった」と下川原さん。「地域性とお酒と一緒に食べられるものを選んだ」とも。 販売個数や販売時間が限られていることから「幻の駅弁」と呼ばれたり、駅弁愛好家からは選ぶ楽しさがあるなどと称賛されたりするようになった。SNSの反応はよく調べているという下川原さんは「何度もバズっているが、私たちの思いが消費者に伝わっていることを知れる機会になっている。酒のあてにしている人や車窓と共に楽しんでいる声を聞く度にうれしく、新鮮な気持ちになる」と笑顔を見せる。 価格は1,500円。弘前駅「津軽振興会」、新青森駅「ブナの森弁当売店」、東京駅「駅弁屋 祭」で販売している。
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