1回戦3安打の中京大中京が15得点 実った人間観察 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第8日の27日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦を行い、中京大中京(愛知)が15―5で常総学院(茨城)を破り、準々決勝進出を決めた。加藤優翔捕手(3年)が4安打4打点の活躍をみせた。 【今大会のホームラン】 1回戦・専大松戸(千葉)戦はわずか3安打。中京大中京は右腕・畔柳の完封で勝利をものにした。好発進にも「いつもそうだ」と苦い顔をしていたのは野手陣。エースに頼らず、自分たちの力で打ち勝ちたい。秋季大会からの「決意」が、春通算歴代最多勝利数となった節目の一戦で結実した。 打線の照準は、常総学院・秋本に絞られていた。5点リードの四回2死満塁。二、三回に連続二塁打を放っていた加藤は、6球目の外角135キロを逆らわずに振り切り、走者一掃の右中間二塁打に仕立てた。秋本はこの回限りで降板した。 趣味は「人間観察」だという加藤。移動中の電車でも「この人はどんな仕事をしている人かな」と分析している。そんな趣味と実益を兼ね、ライバル投手の研究、分析を買って出たら、右に出る者はいない。秋本、大川の二枚看板の常総学院だが、チームで唯一、3番手で投げた伊藤地の特徴を知っていたほどだ。秋本についても早々に「球が走っていない」と見抜き、積極的な打撃を心掛けるとともに、チームメートと認識を共有した。 「狙い通りの攻撃で勝てて自信になった」と加藤。先輩たちがセンバツで積み重ねてきた白星は57個に達した。畔柳の粘投と強力打線の歯車をきっちりとかみ合わせ、「記憶」でも春の球史に名を刻みたい。【森野俊】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。