「アイスラッガーが通用しない…」ウルトラセブンを追い詰めた「記憶に残る強者」たち
1967年から68年にかけて放送された特撮番組『ウルトラセブン』には、手強い怪獣や宇宙人が数多く登場した。 ■【画像】「えっ、こんな姿でホントに強い?」 ウルトラセブンを苦しめた強者たち あらゆる敵をなぎ倒して地球を救ってきたウルトラセブンだが、中にはウルトラセブンを敗北寸前まで追い詰めた、忘れられない強敵も……。今回はエメリウム光線と並ぶウルトラセブンの必殺技アイスラッガーを弾き返し、絶体絶命の危機に追い込んだ3体の強敵たちの強さに迫ってみよう。
■あらゆる面で優れたスーパーロボット「キングジョー」
最初にピックアップするのは、第14話と15話「ウルトラ警備隊西へ」前・後編に登場したキングジョーだ。ペダン星人が開発したスーパーロボットのキングジョーは、4機の宇宙船が合体することでロボット形態に。機動性に若干の難があるものの、10万トン級の船舶を軽々と持ち上げるパワー、地球の武器がまったく効かない超金属でできたボディを武器に、ウルトラセブンに迫った。 ウルトラセブンとの初戦は六甲山にある防衛センターを巡る攻防だ。ウルトラセブンのタックルを受けても、どっしりとした体格のキングジョーは微動だにしない。それどころかエメリウム光線やパンチの連打を受けてもケロリとしており、起死回生の一撃としてウルトラセブンが放ったアイスラッガーもあっけなく弾き返した。 しかし、低い打点からのタックルを受けて転倒すると立ち上がれなくなってしまい、このときはいったん体を分離させて飛び去っていった。 神戸港での再戦でもキングジョーは恐るべきパワーを発揮し、格闘戦でウルトラセブンを圧倒。ときには手近にある巨大船舶を武器にして、ウルトラセブンを攻めたてる。 しかし、地球防衛軍が新たに開発したライトンR30爆弾を撃ち込まれて万事休す。ウルトラセブンは明らかに攻め手に欠いていただけに、新兵器さえなければキングジョーが勝利していた可能性が高い。
■強靭な肉体でアイスラッガーを無効化した「ギエロン星獣」
次に紹介するのは第26話「超兵器R1号」に登場したギエロン星獣だ。生物がいないといわれていた過酷なギエロン星に棲息していた生命体が、地球防衛軍が開発した惑星攻撃用超兵器R1号の放射能によって突然変異。強靭な肉体と刃のように鋭い翼を持ち、再生能力まで保持する怪獣と化す。口からは放射能を含む黄色い灰を吐き、手からはリング状の光線を発射する。 地球に飛来したギエロン星獣は、ウルトラ警備隊のウルトラホーク3号が放った新型ミサイルによって一度は爆散。しかし驚異的な再生能力により、わずか一晩で元の姿に再生し、ウルトラ警備隊の猛攻にビクともせず、東京に迫っていった。 ここでウルトラセブンが登場すると、ギエロン星獣は翼で光を反射して相手をかく乱。ウルトラセブンがアイスラッガーを放って奇襲をしかけるが、翼でやすやすと弾き返した。 続けて三度にわたるアイスラッガーの攻撃もギエロン星獣にはまったく通用せず。一時はドロップキックを受けて地面に転がるものの、すぐさま立ち上がるとリング状の光線で反撃する。これが見事にヒットし、ウルトラセブンは腕を押さえて苦しんだ。 しかし、格闘戦をしかけられ、右の翼をもぎ取られるとウルトラセブンが形勢逆転。最後はアイスラッガーでノドを切り裂かれて力尽きた。決着後にヨロヨロと立ち上がったウルトラセブンの疲れ切った姿が、この戦いの激しさを物語っていたといえよう。