水戸にコウノトリ飛来 英宏小・中ビオトープ周辺 茨城
国の特別天然記念物のコウノトリが15日、茨城県水戸市見川町の水戸英宏小・中が管理するビオトープ周辺で目撃された。コウノトリを見つけた同校理事の伊藤三男さん(69)は「(コウノトリが)この場所を気に入って、このまま営巣に入ってくれればいい」と期待を寄せた。 伊藤さんが同日午前10時ごろ、同校のビオトープで作業をしていた際、コウノトリ2羽が上空を旋回しているのを発見。「大きな鳥で最初はツルかと思った」というが、羽の一部が黒く、コウノトリと分かった。その後、2羽は約1時間半ほど、上空を飛び回ったり、給水タンクの上で羽を休めるなどしたという。伊藤さんは「びっくりした。両手を広げたくらいの大きさだった」と驚きを示した。 同校は2012年から、ごみなどが不法投棄された湿地帯を整備。「英宏の泉」と名付け、ホタル再生プロジェクトなどを実施し、豊かな自然を学ぶ場として活用している。 コウノトリは東アジアに生息する大型の鳥。かつては日本各地で生息していたが、乱獲や環境悪化の影響で、1971年に国内の野生個体群が絶滅した。現在は千葉県野田市などが放鳥活動を実施。茨城県内では今年5月、神栖、行方両市で自然繁殖し、計10羽のひな誕生が確認された。
茨城新聞社