駆け込み「ふるさと納税」の落とし穴5 iDeCo始めた人、たくさん病院行った人は要注意!
【3】最近、職場ではふるさと納税の話題で持ち切り。Cさんは同僚から「お得なのに、まだしていないの?」と言われ、初めて自分名義のふるさと納税を行った。 【NGポイント】実はCさんは“103万円の壁”を超えずに働くパート主婦だった。つまりCさん自身は税金を払っていない。 ふるさと納税は先述のとおり税金の前払い。税金を払っていない人は前払いもできず、Cさん自身がふるさと納税をしても控除は受けられない。 1万円のふるさと納税だと、1万円を全額自己負担で寄付し、3割=3千円相当の返礼品をもらったことに。寄付は尊い行為だが、自腹で寄付するつもりではなかったCさんは損した気分を味わった。 ■ワンストップ特例制度で7つの自治体に寄付をしたら… 【4】会社員のDさんは、確定申告不要の「ワンストップ特例制度」を利用するふるさと納税が大好き。年内に控除上限まで使い切ろうと、7自治体に1万円ずつ、1年で7万円のふるさと納税を行った。 【NGポイント】ワンストップ特例制度とは、会社員など本来確定申告が不要な人が、ふるさと納税をした場合に利用できる制度。「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄付した自治体に送っておけば、確定申告の必要がない。 ただし、ワンストップ特例制度には「寄付先が5自治体以内」という条件があり、7自治体に寄付したDさんは確定申告が必要だ。 確定申告しない場合、ふるさと納税を行った7万円すべての控除が受けられない。 「確定申告の時期を過ぎてからでも、5年以内なら申告が可能。その際、寄付先から送られてきた『寄附金受領証明書』が必要です。 手元にないなら、ふるさと納税サイトが発行する『寄附金控除に関する証明書』を利用する手も」 【5】会社員のEさんは、ワンストップ特例制度を利用してふるさと納税を行うので、確定申告はしていない。だが今年は、インプラントなど高額な歯科治療を受けたので医療費控除だけ申告するつもりだ。 【NGポイント】医療費控除などで確定申告する場合、ワンストップ特例制度は使えない。確定申告を行う場合は、ふるさと納税も一緒に申告しよう。 「ふるさと納税を申告しなかった場合は、全額自己負担の寄付になります。ただ4.と同様、5年以内なら修正申告ができます」 税金などのお金の面以外にも実は落とし穴があるという。 「年末の駆け込みふるさと納税で、お正月用にカニや牛肉の返礼品を選んだのに、届いたのは1月下旬だったと嘆く人が多いです」 駆け込みふるさと納税は危険が多い。仕組みを理解して、ふるさと納税は余裕を持って行おう。 年末のうちに上限までの寄付を行ってお得にお正月を過ごそうと、駆け込みで行ったところ、自腹を切って寄付をしてしまうなど、“損”をしてしまうことも。注意が必要だ!
「女性自身」2024年11月26日号