赤城乳業「未来の60代、70代と一緒に成長」 将来見据え3ブランド育成強化 「ミルクレア」V字回復目指す
赤城乳業は今秋、「ミルクレア」のV字回復、「ソフ」「フロリダサンデー」の認知拡大を最大課題に取り組む。 3ブランドを「未来の60代、70代と一緒に成長する商品」と位置づけ、中堅層へのアプローチを強化。配荷やリピート率で課題がある「ミルクレア」は、コア層の30~50代女性を中心に期待度が高いキャラメル味の投入や、幅広い層に人気の「ポケピース」コラボで、V字回復を目指す。 このほど行われた秋戦略説明会で営業本部営業企画課の中島一輝氏は、「すぐに効果は出ないかもしれないが、徐々にブランドを定着させていく。特にこの3ブランドは粘り強くやっていく」と意欲を示した。 主力の「ガリガリ君」「ガツン、とみかん」は、「子どもが小さい頃にスティックを食べて、大人になってもマルチやノベルティを購入し続ける連鎖になるように継続」する。 「ブラック」「チョコミント」は、「かなり地味なロングセラーだが、非常にリピート率が高く今年も実績がつくれている。まだ知らない方にも知っていただくためのプロモーションを来年以降で検討している」と方針を示した。 8月下旬から順次切替の「ミルクレア チョコレート」は、乳由来の塩分を配合し、中身のねっちり食感とミルクの濃さを強化した。秋冬のフレーバーとして初のキャラメル味を投入。フレーバー調査ではコア層を中心に圧倒的に支持が高く、「既存の抹茶よりも店頭回転が2倍になるのでは」と期待を寄せている。 「ソフ 北海道ミルクバニラ」は、季節で変化する乳脂肪分に合わせて、秋冬商品の乳脂肪分を夏よりも1.06倍に高めた。水分量を減らし固形分を高めることで、ソフトクリームらしい柔らかさを表現。
「同 濃厚チョコレート」は、これまで使用していたココアパウダーとカカオマスをベルギーチョコレートに変更。ロールですりつぶす工程や、加温して強く練り上げる工程を加えることで、ざらつきにくく、ふんわりとした食感を実現した。 「ソフは満足度やリピート率が高い一方、認知度が課題の商品。まずは認知を増やして半分の方に購入してもらいたい」とし、視認性を高めるキラキラとしたパッケージに変更、9月にTVCMも放映予定。2個購入でOSAMU GOODSコラボのランチョンマット1枚がもらえるキャンペーンを実施する。 「フロリダサンデー」2種は、210㎖の容量を飽きずに食べ進めてもらうことを目指す。ブルーベリーは、天面の果肉ソースと側面の甘酸っぱいソースで全体の甘さを調整し、チョコレートは加糖練乳の配合を抑えて食べやすくした。リピーター率が非常に高いことから、今後は新規顧客獲得に向けたプロモーションにも力を入れる。 同社の上期(1~6月)は前年比10%増で通過した。23年度を振り返って中島氏は「上半期はしっかりと増販することができた」とし、秋商品で市場を盛り上げる意欲を示した。