クロちゃん×小田原ドラゴン「友達を亡くすということ」【2】“愛すべきクズ”と過ごした青春時代と絶縁
安田大サーカス・クロちゃんのキャバクラ仲間であり、漫画家・小田原ドラゴンの作品にもしばしば登場する石川キンテツさんが亡くなった。そこで故人を偲ぶ追悼対談をセッティングしたところ、2人は初対面にもかかわらず冒頭からヒートアップ。“愛すべきクズキャラ”としてニッチな人気を誇ったキンテツさんのエピソードが次々に明かされると同時に、青春という名の季節の狂騒と儚さも浮き彫りになる。(前中後編の中編)>>前編は下の関連記事からご覧ください。 【写真】小田原ドラゴンが描いた石川キンテツのイラスト ──クロちゃんはここ3、4年前まで親から仕送りをもらっており、そのことで「クズすぎる!」と世間から叩かれています。それでいうと、石川キンテツさんも親からの仕送りでキャバクラ遊びをしていたようですね。 クロちゃん 『週刊少年サンデー』(小学館)関連の仕事で稼いでいたことは知っていたから、そのへんは素直にすごいと思っていたんですよ。ライターとして優秀なんだなって。だから親から仕送りもらっているというのを知ったのも、後々になってからなんです。当時は「クロちゃん、さすがによくないですよ。いい年して親から仕送りしてもらうなんて」とかキャバ嬢の前で説教されましたからね。今思うと「どの口が言うんだ!」ってゾッとしますけど(笑)。 ──クロちゃんと瓜二つじゃないですか! 同族嫌悪だったんじゃないですか? クロちゃん そんなこと絶対にないしん! 小田原 ところでクロちゃんは、どういった経緯でキンテツと絶縁したんですか? クロちゃん いくつか要因はあるんですけど、やっぱり大きいのはドラゴン先生と同じで仕事関係ですね。サンミュージックのマネージャーで大関隆之さんという方がいるんですけど、彼は僕と同じようにキンテツと仲がよくて、僕と同じタイミングでキンテツと絶縁したんです。 ──大関さんはクロちゃんのSNSによく登場する方ですよね。ワンワンニャンニャンの菊地優志さん、元AKB48の高橋みなみさんと並んで“クロちゃん三銃士”と名付けているようですが。 小田原 “一緒に絶縁”というのはどういうことですか? クロちゃん だんだんキンテツの仕事に対する不真面目な態度が目につくようになって、そのくせ「ラジオ局でポッドキャストをやるから、その件をクロちゃんのほうからツイートしてほしい」とか頼んできたんですね。でも、今のキンテツの感じだと俺は応援する気になれないなと思いまして。「ちょっと1回だけ自分でやってみなよ」って突き放したんです。 ──目を覚ましてほしかった? クロちゃん そう。やっぱり俺も仲良くしたかったですからね。だけどキンテツは「オラにちょっとだけ力を貸してくれ~」って『ドラゴンボール』で元気玉を集めるようなテンションでLINEをしてきたので、それを見た瞬間、もう無理だなって思いました。 ──こう見えてクロちゃんって仕事には全力で取り組みますからね。 クロちゃん だから俺と大関さんとキンテツの3人でメシ会をして、「今のままのキンテツだったら、うちらはちょっとつき合えない。とりあえず1人でやってみて」と伝えたんです。結果的には、それが最後になってしまったんですけどね……。 小田原 まぁでもクロちゃんの気持ちはわかりますよ。 クロちゃん 結局、俺と大関さんがキンテツに言いたかったのは「頑張らないといけないよ」ってことなんです。でも、本人にどれくらい伝わっていたのか……。ドラゴン先生は、キンテツが地元・大阪に一時期戻っていたことは知っていました? 小田原 ライターを辞めて、お父さんの会社を手伝うという話でしたよね。 クロちゃん ええ。ですから東京を離れる直前に、思い出作りとしてキンテツと俺と大関さんの3人で旅行へ行ったんです。それなのに、あいつは目的地の小田原に着いてからもずっとパソコンを開いて仕事をしていたんですよね。さすがにうちらも「お前、何やってるの? お前のために来てるのに」と注意したんですけど、「いや、これ終わらせなあかんねん」と……。「終わらせてくるって言ってじゃん!」って一気に険悪な雰囲気になりました。 小田原 あ~あ(苦笑)。 クロちゃん 引っ越し自体もキンテツは何も準備しなかったものだから、慌てて大関さんの車で荷物を運んだりさせられたりしたんですけどね。とにかくそれで一度は大阪に戻ったわけです。当分は会えないだろうからさすがに少し寂しく感じたんですけど、あっさり半年後には東京に戻ってきたんですよね。本当に意味がわからないですよ! ──「3人での旅行は何だったんだ?」って話になりますよね。 クロちゃん 本当にそう!