老後2000万円問題を聞いたあと60歳で退職するのは不安です。実際には2000万円以上かかりそうな気がするのですが、いったいいくら貯めれば安心ですか?
自分に必要な貯蓄額はいくらになるのか、算出してみよう
老後を迎えるにあたり、さまざまな準備に取り組んでいる人は少なくありません。老後の生活費の不足額がいくらになるのかを考えるのも同じことです。 老後に必要な貯蓄額を算出するときには、収入見込み額はいくらで、想定される支出額はいくらなのかを知ることです。計算式としては非常にシンプルです。 「収入」-「支出」で計算し、プラスのときには、今のままでも十分に手当ができる可能性があることが分かります。 反対にマイナスになっているときには、その不足分は余裕を持って35年間(60歳定年退職、95歳までの期間)で割り戻して計算してみましょう。もし、不足分が3500万円だったときには、3500万円÷35年ですので、年間100万円が不足する計算になります。 とはいえ、支出の見直しができる可能性もありますので、一度、自分のお金の流れを把握してみてはいかがでしょうか? 収入については、日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できますので、確認してみましょう。支出については、家賃、毎月のローンや借入金の返済額、水道光熱費、食費、趣味、レジャー費等の生活に関連する費用を確認します。 家賃や返済金等は、毎月決まっていますので、そのデータを使ってください。水道光熱費や食費は数ヶ月さかのぼり(3~6ヶ月)、平均値を出してください。 趣味やレジャーに係る費用の中でも、例えばお稽古の場合は毎月いくらかかるのかが分かると思いますので、その金額を算出してください。特に支出が決まっていない趣味やレジャー関連費の場合は、予算を決めるようにしてください。 その他、ライフイベントで大きな支出となる、自宅のリフォーム、子供への資金援助、マイカーの買い替え、旅行費用等を支出に盛り込んでいきます。 面倒のように思えるかもしれませんが、自分のお金の流れを把握し、自分にとって必要な金額はいくらになるのかを知ることが大切です。その結果を踏まえて、貯蓄計画を立てていきましょう。 出典 金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 執筆者:飯田道子 ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
ファイナンシャルフィールド編集部