近づくゴールデンウィーク（GW）。歴史的な円安傾向が続いているものの、海外への旅行需要はコロナ禍の落ち込みから大きく回復しつつある。

昨年のゴールデンウィークでの羽田空港国際線ターミナルの出発フロア。今年はさらに海外旅行者が増えそうだ＝2023年4月29日、東京都大田区（時事）

2024年のゴールデンウィーク（GW）の海外旅行者数は、コロナ禍前の9割程度まで回復する見込みだ。4月25日～5月5日に出発する旅行の動向について、旅行大手のJTBが運輸・観光データやアンケート調査などを基に推計したところ、海外旅行者数は対前年比67.7％増の52万人になる見通しとなった。 海外旅行者数は、10連休で過去最高となった19年を除き、コロナ禍前の5年間（14～18年）は約55万人前後で推移していた。24年はその9割程度の水準まで回復することになる。平均旅行費用は円安や物価高の影響を受けて、対前年比4.7％増の26万9000円と予想されている。

GWの海外旅行者の推移　出所：JTB

海外旅行の行き先の人気上位は、韓国（20.8％）、東南アジア（16.7％）、台湾（13.5％）。JTBの海外旅行の予約状況（4月3日時点）は対前年比125％増で、アジアなど短い日数で旅行できる方面が人気だという。 一方、国内の旅行者数は対前年比0.9％増の2280万人、平均費用は同3.7％増の3万6100円となる見通し。物価高の影響で旅行者数は微増ながら、平均費用は上昇する。海外と国内を合わせた総旅行者数は同1.8％増の2332万人、総旅行消費額は同11.2％増の9630億円とみられている。