母親を殺し遺棄した男に懲役9年の実刑判決 裁判長は”殺意”を認定も「本人も反省している」と弁護側の主張に一部理解(山形)
東京で母親を殺害し、遺体を鶴岡市内の施設の敷地内に遺棄した罪に問われている男の裁判員裁判はきょう判決公判が行われ、山形地裁は男に懲役9年の実刑判決を 言い渡しました。 【写真を見る】母親を殺し遺棄した男に懲役9年の実刑判決 裁判長は”殺意”を認定も「本人も反省している」と弁護側の主張に一部理解(山形) 懲役9年の実刑判決を受けたのは、東京都の会社役員榎本虎太郎被告(41)です。 判決などによりますと榎本被告は去年10月、東京都にある母親の萬里子さんの自宅で、母親の萬里子さんの首を絞めたり、鼻や口を塞いだりして殺害し、遺体を自らが経営する鶴岡市内の高齢者施設の敷地内に遺棄したとされています。 深田倫寛 記者「榎本被告は初公判から一貫して『殺すつもりはなかった』と殺意を否定していて、裁判ではこの殺意の有無が争点となっていました」 争点となった「殺意の有無」について、これまでの裁判で検察側は「非常に強い力で首を絞めていて、死に至ることも常識的に分かっていた。救命行為もしておらず、殺意は強いものであった」と表現し、懲役11年を求刑しています。 一方弁護側は、犯行に至った理由について、榎本被告が萬里子さんに幼いころから虐待されていたこと。萬里子さんから相続税1億2000万円の支払いを押し付けられたこと。萬里子さんが榎本被告の子どもに対し暴言を言ったことなどが重なったとしました。 そして、殺意については、当時は「正常な判断ができる精神ではなかった」とし、殺意を否定したうえで、傷害致死罪を適用し減刑することを求めていました。 きょう行われた判決公判で、佐々木公裁判長は「相当に強い力で頸部を圧迫し、右手の指を口腔内に押し込んだものと認められる。窒息死に至る危険性が高いことは常識的に明らか」としました。 また「憤りなどの感情が溢れ出たと述べる一方で、犯行時の状況をその際の心情とともに詳しく供述していた。」などと殺意について認定しました。 一方で、「家族が更生の協力をする姿勢が見え、本人も反省している」と弁護側の主張にも一部理解を示し、懲役9年の実刑判決を言い渡しました。 榎本被告の弁護士「(Q判決について)全然予想外ということではなかった」
榎本被告の弁護士「(Q殺意が認定されたことについて)それは率直に残念」 榎本被告の弁護士「弁護人から見ても非常に反省している。この判決をどう受け止めるか、これが今後の本人の更生にとって大事」 控訴について、弁護側は本人と話しあってから決めるとしています。
テレビユー山形
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