鹿児島県 中学生代表も参加 戦争の悲惨さ、平和の尊さ再認識 「この平和を大事にしたい」 天城町戦没者追悼式
【徳之島】2024年度天城町戦没者追悼式(町主催)が6日午後、同町岡前の平和の森公園の「忠魂(ちゅうこん)碑」前であった。遺族をはじめ関係機関・団体や地元中学生の代表など約80人が出席。日清・日露戦争から先の第二次世界大戦にいたる戦争に出征して散った同町出身の戦没将士425柱を追悼。戦争の悲惨さ・平和の尊さを後世に語り継ぐ使命感も新たにした。 追悼式には近くにある北中学校の生徒代表3人と引率(教頭)の姿も。国歌を斉唱後、国内外の戦地に出征して散った戦没将士たちの御霊(みたま)に黙とうを捧げて冥福を祈った。 森田弘光町長は式辞で「今日の平和と豊かさは、祖国を思い家族の幸せを願いながら戦場に散っていかれた戦没者の皆様の尊い命とご遺族の皆様のご苦労の上に築かれたことを決して忘れない」。また戦争の記憶が薄れ、世界各地ではテロや紛争が後を絶たない中、教訓の伝承も決意した。 次いで上岡義茂町議会議長と町戦没者遺族会の大田直次会長が追悼のことば。先の大戦で父(当時32歳)をビルマ(現ミャンマー)戦線で奪われた大田会長(83)=同町兼久=は「私は父の顔も見ずに戦争遺児として育った。母は農業に従事しながら姉と二人を一生懸命に働いて育てた。尊敬するその母も98歳で他界。戦後生まれの世代が大半を占め、戦争の記憶がだんだんと薄れつつある。遺族会の存続を図るためにも遺児の子や孫にもこの教訓をしっかり伝えるのも私たちの使命」とも強調した。 参加者全員が碑前に白菊を献花して冥福を祈った。北中生徒代表の鈴木咲羅(さら)さん(3年)=生徒会長=は「戦争の恐ろしさをあらためて知った。戦争をしないよう、自分たちの世代もこの平和をもっと大事にしていきたい」と話した。