大商大が7大会連続初戦突破 鈴木豪太が「緊張した」けど2安打完封/大学野球選手権
全日本大学野球選手権第1日(10日、東京Dほか)開幕して1回戦が行われ、大商大は鈴木豪太投手(3年、東海大静岡翔洋高)が中央学院大(千葉)の打線を2安打完封した。九産大(福岡六大学)は5-3で福岡大(九州六大学)を下した。中京大(愛知)は日本文理大(九州北部)を4―0で退けた。福井工大(北陸)は桐蔭横浜大(神奈川)に3―2で競り勝ち、仙台大(仙台六大学)、中部学院大(東海)、仏教大(京滋)も2回戦に進出した。 右横手から投げ込む剛速球で、東京ドームでの開幕ゲームを支配した。大商大の鈴木豪が9回2安打、9奪三振で完封勝利。1―0の九回2死、一飛で27個目のアウトを取るとグラブをポンとたたいた。 「全国大会では初先発。緊張した。先頭打者を斬ることだけを意識した」。言葉通り、先頭の出塁を許したのは味方が悪送球した四回のみ。直球がシュート回転するくせ球で押し、唯一のピンチだった五回2死満塁は二ゴロに打ち取り「絶対に抑えようと思った」。五回以外は安打を許さず、一回に1年生の真鍋の右前打で挙げた1点を守り抜いた。 今春の関西六大学リーグでは5試合に登板し、2完封を含む3勝0敗、防御率0・00で最優秀選手、最優秀投手、ベストナインに輝いた。冬の強化期間には「バランスよく投げないと滑る」という地下足袋を履いて投げ込み「直球のスピンが昨年よりも効いている」と手応えを得た。2学年上で、昨秋ドラフトで西武に2位指名された上田大河投手には在学中にフォークボールを教えてもらい「縦の変化があると打者の目線も変わるし、直球も生きる」とうなずいた。 チームは7大会連続で初戦突破。2回戦は11日に優勝候補の早大と対戦する。「リーグ戦も全国もゼロで抑えられたのは自信につながる。早稲田さんは絶対に強いですけど受け身にならず、明日もロースコアの展開に持っていけるように」。〝関西のミスターゼロ〟が東京六大学の王者に立ち向かう。(加藤次郎)