電話線に浮かぶ朽ち木 巻き込み成長、防災に影響も 奄美市笠利町
鹿児島県奄美市笠利町の土浜公民館そばを通る電線の間に、長さ50センチメートルほどの木の幹が挟まっていた。まるで浮かぶ丸太のよう…。なにがあったのだろう。 九州電力送配電に問い合わせてみると「NTTさんの電話線のようです」。なるほど、そばの電柱には「NTT西日本」と書かれていた。ホームページの問い合わせフォームから現場画像を送ると回答があった。「確かにNTTの電話線です。挟まっているのは過去に伐採された樹木の一部。木が成長する途中で電話線を巻きこんでしまったようで、無理に撤去すると線を傷つける恐れがありました。当時はすぐに落下する危険性は低いと判断しましたが、改めて確認します」。 土浜地区の住民によると、公民館の入り口付近には大きなガジュマルの木があったが、数年前に安全のため伐採に踏み切ったという。 4日午後には、NTT西日本(大阪府)から依頼を受けた南海通信(龍郷町)が丸太の撤去作業を実施。すでに朽ち木となっており、撤去は難なく完了した。南海通信によると同様の事例は時折寄せられている。 大雨や台風などの災害時、倒木などによる送電線や電話線の切断は広い範囲に深刻な影響を及ぼしかねない。奄美市も昨年6月に九電奄美配電事業所と協定を締結し、災害時に被害を及ぼす恐れのある樹木の調査や事前伐採に向けた取り組みを始めている。 車道に張り出した庭木や山林の樹木は所有者による適切な管理が必要だが、高所かつ電線に関わる作業を個人が行うことは非常に危険。九州電力、NTTともに「まずは各社に連絡、対応を問い合わせてほしい」としている。 わが家の樹木はどうだろう。台風シーズンを前に、点検してみませんか。