100円の収入得るための費用「1万1766円」線区も JR西日本がローカル線の「収支率」発表 山陰エリアの状況は…
JR西日本は29日、1日あたりの輸送密度が2000人未満の17路線30線区について、収支率などを発表しました。100円の収入を得るための費用(=線区営業係数)について、木次線の出雲横田~備後落合で「3424円」となったほか、山陰線の益田~長門市で「1862円」となっています。 【写真を見る】100円の収入得るための費用「1万1766円」線区も JR西日本がローカル線の「収支率」発表 山陰エリアの状況は… JR西日本では、ローカル線について、取り巻く環境の変化とともに利用状況が大きく変化しているとして、各線区の実態や課題を共有することを目的として、線区の利用状況や経営状況に関する情報開示を行っています。 こうしたなか29日、2019年度実績で1日あたりの輸送密度(平均通過人員)が2000人未満だった17路線 30線区について、前提をおいた算出のもとで、2021~2023年度の3か年平均の線区別の収支率などを発表しました。 収支率の値が最も小さかったのは、芸備線の「東城~備後落合」の区間で0.8%。100円の収入を得るためにかかる費用(線区営業係数)は、1万1766円でした。 山陰線の「収支率」「線区営業係数」は、 ▼城崎温泉~浜坂「11.5%」「871円」 ▼浜坂~鳥取「12.1%」「827円」 ▼出雲市~益田「18.0%」「557円」 ▼益田~長門市「5.4%」「1862円」 ▼長門市~小串・仙崎「8.0%」「1253円」 木次線では、 ▼宍道~出雲横田「7.5%」「1342円」 ▼出雲横田~備後落合「2.9%」「3424円」 となっています。 JR西日本では、「線区によっては地域のお役に立てておらず、厳しいご利用状況となっています。特に今回お示ししている線区については、大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないと考えております」としています。 今後もさらなる人口減少など、環境変化が見込まれることから、持続可能な地域社会の実現に向け、線区の特性の違いや移動ニーズをふまえ、地域のまちづくりに合わせた、今よりも利用しやすい最適な地域交通体系を地域の皆様と共に創りあげていく必要があるとして、「地域の皆様との対話に向けて地域の皆様と課題を共有させていただき、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画し、地域のまちづくりや線区の特性・移動ニーズをふまえて、鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたいと考えています」としています。
山陰放送