痴漢して線路に逃走のタクシー運転手裁判 就職した会社で営業成績トップも止まらなかった”裏切り”
逃走ルートまで計画
JR埼京線内で10代の女性に痴漢をして線路内に逃走したとして不同意わいせつなどの罪に問われた元タクシー運転手の岩橋英治被告(61=逮捕時)の公判が12月5日、東京地裁で開かれた。 【痴漢して線路内に逃げた男の画像】すごい!電車内で痴漢し、線路内に逃げた行動は全て計画的だった 起訴状などによると岩橋被告は’24年5月27日、JR埼京線の電車内で女性の尻を触るなどのわいせつ行為を行ったという。被害者らによりホームに降ろされた際に、駅員から逃れようと線路に飛び降りて逃走。電車の運行を妨害したとして、威力業務妨害の罪にも問われている。『FRIDAY』は10月25日に開かれた初公判も取材。被告は「間違いありません」と起訴事実を認めていた。犯行については、 〈出勤時間帯で混雑している時間を狙って、駅のホームでターゲットになりそうな女の子を探していました。私はAさん(被害女性の名前)の体を触ろうと考え、いっしょに電車に乗り込みました。そして、Aさんに『当たり行為』をしたと思います。『当たり行為』とは、偶然を装って、手の甲でスカートの上から太ももに触れ、その際の女性の反応を確認することをいいます〉(岩橋被告の供述調書より) などと語った。新宿駅のホームから線路内に飛び降り、逃走したことについては、「逃走ルートとしてあらかじめ頭に入っていた」のだという。 〈痴漢を疑われて捕まりそうになったので、線路上を池袋方向に走って逃げ、新宿の大ガード付近から地上に飛び降りました。私は過去にも何度か、痴漢の犯人として捕まりそうになったとき、新宿駅の線路上を走って逃げたことがあるので、線路上には他の人がいないため、逃げやすいことを知っていました〉(岩橋被告の供述調書) 犯行が計画的であったと述べている。岩橋被告は25歳ごろから痴漢行為を繰り返しており、逮捕されたのは今回が初めてではなかった。 ◆再就職したタクシー会社での評判は? 「’22年1月にもJR埼京線内で当時18歳の女性に痴漢行為を行い、この時も線路内に飛び降り、逃走を計っています。強制わいせつの罪で懲役1年4ヵ月の実刑判決を受け、昨年、出所したばかりでした」(全国紙記者) 痴漢の常習犯の岩橋被告だが、’24年5月の逮捕前まで勤務していたタクシー会社ではトップクラスの営業成績を誇っていたという。 「朝早くから目いっぱいの時間まで頑張っていた。トップクラスの営業成績で指3本ぐらいに入る」 この日の公判では岩橋被告のタクシー会社の元上司が情状証人として出廷。上記の言葉を述べ、岩橋被告が約130人の運転手の中でトップ3に入る成績だったと証言した。さらに、 「腰が低くて礼儀正しい。同僚、客とのトラブルもなかった」 と模範的な運転手だったと証言。元上司は岩橋被告の採用面接も担当し、 「面接時は受け答えもハキハキしていて好印象を持ちました。ヤル気があった」 と採用の経緯を説明した。岩橋被告の痴漢の前科についても、 「前科があったことは知っていたが、それなりの罰を受けてもうしないだろうと思った」 と更生を信じたという。 しかし採用から約1年後に歪んだ欲望を抑えることができず、再び痴漢を犯してしまったのだ。岩橋被告が逮捕された時の気持ちを問われると元上司は、 「やってしまったか。裏切られたという気持ち」 と悔しさを滲ませた。元上司の証言を聞く岩橋被告のメガネの奥の瞳には生気がなく、無表情。その姿に営業トップクラスの運転手の面影はなかった。岩橋被告は逮捕後、タクシー会社を解雇されている。 ◆性犯罪は再犯率が高い しかし、元上司は情状証人として出廷し、今後についても、 「仕事も1年間見てきて手を差し伸べてもいいのかなと思います」 と述べ、再雇用の可能性もあると証言した。 「性犯罪は薬物同様に再犯率が高いといわれています。前科があることで雇用してもらえず、生活に困窮するなどして孤立感を深め、再び罪を犯してしまうケースが多い。岩橋被告の場合は仕事に励みながらも再び罪を犯してしまったわけです。犯罪者の更生には、受け入れる社会のサポートも必要です。しかし、現時点での岩橋被告への温情には疑問が残ります。岩橋被告の罪は性犯罪であり、再犯しているのですから」(前出・記者) 女性と二人きりになる可能性の高いタクシー運転手に戻るのは、さすがに無理なのではと思うが、これ以上、被害者を出さないためにも更生を切に願う。
FRIDAYデジタル