Jr.ウインターカップ準優勝の相模女子、大会No.1ガードの竹内みやが示したワンハンドでプレーするからこそ生まれる多彩な動き
「レッグスルーからの裏拍子のドライブが得意なので、磨き上げていきたい」
また、左手のレイアップに限らず、竹内はドライブからのシュート、パスなど多彩な動きができるが、それはワンハンドでシュートを打っていることが大きい。元々、相模女子は女子では珍しいワンハンドをチーム全体で取り組んでいるチームだ。田島稔ヘッドコーチはワンハンドがもたらす効果をこのように語る。「ワンハンドの場合、右利きの選手は左足を軸にした斜め向きの形が取れます。斜め向きだから、1対1️の局面でいろいろなことができ、ワンハンドはいろいろなスキルに派生していきます」 そして、竹内のプレーはワンハンドでプレーすることで生まれる可能性を証明している。例えば、準決勝のオーバータイムで沈めた決勝弾の3ポイントシュートは、密着マークで、対峙した相手とのスペースがない中、ステップバックして決めており、ワンハンドだからこそ生まれたビッグプレーだった。 また、彼女が警戒されている中でもドライブで何度も突破できたのは、「レッグスルーからの裏拍子(ドリブルでボールが手から離れている時に仕掛けるので、相手がタイミングを取りづらい)のドライブが得意なので、そういうところをもっと磨き上げていきたいと思っています」と明かす、スピードだけではないテクニック、駆け引きのうまさもある。 竹内の次のステージは高校であり、全国に行けば留学生と対峙する機会も増えるなど、ゴール下で待ち構える相手のサイズはより高くなる。だが、スピードとスキルを備えた彼女なら、多彩な動きでその壁も乗り越えていきそうだ。 ちなみに竹内が参考にしている選手は河村勇輝で、「高校生の時から見させてもらっていてスピード、IQ、ディフェンスにシュートの打ち方だったり、いろんなところが参考になります」とずっと見ているという。 今日の彼女のプレーは、河村を彷彿とさせるもモノだった。次のウインターカップで、河村のような動きを見せる高校1年生の女子選手がいる、と竹内がスポットライトを浴びることになってもそれは決して驚きではない。それくらいのダイヤの原石としての輝きを彼女は放っていた。
鈴木栄一