尾崎世界観さんが語るクリープハイプの強み 2025年は全国ツアー
4人組ロックバンド「クリープハイプ」は2025年、18都道府県を巡る全23公演の全国ツアーを予定している。ボーカル・ギターの尾崎世界観さん(40)が「長く続けていくための基準」と話すことがある。 【写真】2024年9月、ひたちなかで見せたクリープハイプのステージは観客を魅了した 音楽業界では、楽曲制作に使われる生成AIへの警戒感が高まっている。AIを意識しながら尾崎さんは「自由で便利になっていく世の中で、わざわざ遠いところまで足を運んで『受け取りたい』と感じてくれる表現ができるかどうか」が大切になると考えている。 「まずはお客さんに来てもらいたい」。全国ツアーへの意気込みを、そう語った。 バンド活動は01年から始め、メンバーが何度か変わった。1人になったこともあったという。09年に現在のメンバーで活動を始め、「ようやく勝負し始められた」と振り返る。 4人のメンバーは、同じステージに上がっていても、やっていることは全く違うため「孤独」と表現する。ただ、「そういう独立した心細さみたいなものは、ちゃんと共有できている」。そして、「それぞれのメンバーがステージの上では1人だということをしっかりわかっている方が、バンドとして強い」。 そうした思いで、全国ツアーに臨むつもりだ。(富永鈴香) ■クリープハイプ ボーカル兼ギターを担当する尾崎世界観さんを中心に、2001年に結成。09年に現在の4人となり、12年にアルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」でメジャーデビュー。25年は全国ツアーを予定している。尾崎世界観さんは執筆活動も行い、24年発表の小説「転の声」は芥川賞候補になった。 ■ロッキンについて 日本最大級の野外ロックフェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」は音楽評論家・渋谷陽一さんが立ち上げ、ロッキンの名で親しまれてきた。2000年から毎夏、茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園で開かれてきたが、20年と21年は新型コロナの影響で中止に。22年から千葉市の蘇我スポーツ公園に拠点を移した。24年は25周年を記念し、ひたちなかと蘇我の両会場で開催された。
朝日新聞社