虎のソナタ 「5日ぶりです」まるで大事件 虎将は怒っても笑っても黙っても、そしてしゃべっても見出しに
沈黙を守っていた岡田監督が、トラ番に口を開いてくれた。実にありがたい。当番デスク・牧慈が夕方の紙面会議で「5日ぶりです」と説明。まるで大事件だ。怒っても、笑っても、黙っても、そしてしゃべっても見出しになってしまう。阪神の監督って、本当に大変なお仕事だ。 【画像でみる】「しかしよく食べるわ」西勇輝が発起人となり、才木浩人ら阪神投手陣が食事会 退任が発表されてしまった以上は、「監督」岡田彰布の肉声を聞けるのも、あとわずか。少しでも長くなることを祈りたい。 誰の話をしているんだろうか? 主語が何なのか? 結局どうなんだろうか? よく分からないことも多々ある、不思議な〝どんでん節〟を心に刻みましょう。 6日にはオリックス・中嶋監督も退任を発表した。1年前は、両リーグの優勝監督として日本シリーズで相まみえ、ことしのオールスターではセ、パの指揮官として対戦した2人が、そろって監督の座から退く。もう異常事態と言っていい。 日本一監督が翌年に2位になって辞めるのも不思議。3年連続優勝監督が、たった1年だけ下位に沈んで去らなければいけないのか。こんなことが頻繁に起こっていたら、監督なんて毎年交代しなければいけなくなるぞ。 と、ブツブツ言っていても、事態は元に戻らないので、明るく前向き(?)に働くトラ番たちを追いかけよう。 南国・宮崎にいたのはトラ番最年少・中屋友那だ。明らかに言葉が弾んでいた。 「そういえば、久しぶりに野球を見ている感じがします。やっぱり、野球をナマで見て、選手と野球の話をするのって、楽しいですね」 だから、中屋に電話をしたのだ。岡田監督の退陣、次期監督に「藤川球児」の名前が。その取材で、9月末から球団首脳らの取材にトラ番たちは奔走。まともに野球を見ていない記者が一気に増えた。 ピヨピヨ中屋も、普段は絶対に会話することもない大企業のトップクラスの方に、恐る恐る質問をすることに。 「メチャクチャ緊張しました」 記者として有意義な経験。だが、やっぱり野球小僧がそのまま大きくなったような若者は、グラウンドで動き回っている方が幸せだ。 秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」が開幕-。中屋が出向いたのは、生目の杜運動公園第2球場。ソフトバンク2軍がキャンプを行うグラウンドだ。相手は巨人。浅野、泉口、モンテスという1軍クラスの選手がCSファイナルの調整で出場しているのに対して、阪神は、ファーストステージがすぐに始まるから、野手の主力級は不在だ。