京都の大人気カフェ「walden woods kyoto」は、山小屋の室内に雪が降り積もった白さ
行きたかった京都のコーヒーカフェを訪れたのは、大阪と京都に取材撮影に向かった日帰り出張の朝9時。 3月下旬で気温が大幅に下がった日。 京都駅から徒歩15分と見積もり、新幹線を降りて荷物抱えて歩いていきました。 ネット情報でよく見かける、「真っ白」というキーワード。 そこになにがあるのだろう、と。 【写真】大正時代の洋館を改装した白い空間が直腸の人気カフェ「walden woods kyoto」。 わたしは名称に割と無頓着なもので(20年飼ってるペットの亀も名前なし)店名の「walden woods kyoto」の意味をまったくスルーしてました。 入店してしばらくして、「この店の内装は木なのか。だからウッドが店名なんだな」と気づいたしだいです。 その知識しかなかったくらい、店情報をほとんど頭に入れずの訪問。
予想と異なったのは、石膏や大理石のような素材の白さでなく、白塗料を塗った空間作りだったこと。 壁面はほぼすべて、木材の小片をランダムに貼り付けて熱圧成型した「OSB合板」。 元の茶色の合板を、薄い白で覆ったくものが店のメインマテリアル。 京都のカフェでは大正時代までの町家を改装した店が目につきますが、町家構造の日本家屋がない東京につくることはできません。 (家を解体して再度組み立てる手法なら不可能ではないでしょうが) でもwalden woods kyotoなら、別の土地でも運営できる可能性がある店と感じました。 内装の印象は「ハウススタジオ」または「雑貨店」。 ビンテージ感を演出するため家具や壁をエイジング加工した撮影用スタジオや、同じくほっこり系家具を並べる雑貨店にごく近い雰囲気です。
この店自体は大正時代の洋館を改装したものらしく、同じ店の再現はできないでしょう。 ただコンセプト自体はグローバルですし、合板と白塗料があれば劣化した箇所の修繕もできます。 完全に塗り重ねて木の質感を消し、フラットな真っ白に仕上げることもできちゃいます。 さらに、店があるエリアは近代的な住宅地。 京都の街歩きでよく目にする古民家の焼杉(黒く焼いた木材)もほぼ見かけない土地ですから、流れ込む街の空気を借景のごとく利用する京都スタイルのカフェと一線を画す独立した存在でもあります。