五輪4連覇・馨さん「レスリング頑張って良かった」 地元・青森県八戸市で「伊調ロード」お披露目
青森県八戸市出身でレスリング女子五輪4連覇を果たした伊調馨さん(40)らの功績をたたえ、市が長根公園内に整備した「伊調ロード」が10日、お披露目された。市に寄付された伊調さんのブロンズ像も披露され、伊調さんは「小さい頃から歩いてきた道をこのような形で残してもらってありがたい。ブロンズ像も仕上がりが素晴らしく、夢に向かってレスリングを頑張ってきて良かった」と喜びを語った。 伊調ロードは長さ約95メートル、幅6メートル(うち歩道1メートル)で、伊調さんが同公園内の市武道館レスリング場に通った道を散策路として整備。伊調さんと姉千春さん、小原日登美さんという同市出身の五輪メダリスト3人をたたえる顕彰プレートも設けた。隣接する駐車場も含めた総事業費は約1億円。 市武道館入り口近くに設置されたブロンズ像は、2016年のリオデジャネイロ五輪で4連覇を果たした際に、右手の指で4をつくり、左手で金メダルを掲げた伊調さんの半身像。台座を含めた全体の高さは2メートルで、台座前面には伊調さんの手形と、伊調さんが巣立った八戸クラブのスローガンが刻まれている。 モニュメント制作実行委員会(委員長・石川廣伊調馨後援会長)が計画し、10月に市へ寄付。制作費は約1千万円で、市内の複数の企業や個人が協力した。 10日は、市武道館前に熊谷雄一市長や関係者ら約60人が集まり、セレモニーを実施。熊谷市長は「『レスリングのまち・八戸』の推進に一層取り組む」とあいさつ。県レスリング協会の清水悦郎会長が「(伊調さんには)この地からオリンピアンを育ててほしい」と祝辞を述べ、テープカットで完成を祝った。 八戸クラブの後輩に当たる、八戸工業大学第一高校3年の髙橋叶実さん(17)はセレモニーを見届け、「伊調さんのように大舞台で活躍できるよう、ブロンズ像を見ながら練習を頑張りたい」と話した。 伊調さんは取材に「『五輪で金メダル』という夢をもらったこの場所が、子どもたちがオリンピックを目指すきっかけの場所になれば」と語った。 同日夕には市内で実行委主催の祝賀会が開かれた。 伊調ロードを市民が往来できるのは12月下旬からの予定。ブロンズ像は自由に見学できる。