まるで「アイドルのフォーメーション」 16頭のカンガルー、奇跡のポーズ写真が話題「足の見せ方うまい」
「センター」の思い
「足の見せ方がうまい」ように見えた前列のカンガルーたちですが、足を重ねるこのようなポーズも、「自然界では敵に襲われた場合には動きだしづらいため、個体の性格にもよりますが、あまりすることはないのではないか」と言います。 野生とは違う飼育下の環境に「慣れすぎた」ため、ついつい警戒心をゆるめていた結果で、まさに偶然生まれた「フォーメーション」でした。 SNSでは特に〝センター〟のカンガルーの堂々たるたたずまいが「一番強そう」「さすがセンター」などと注目されました。 こちらのカンガルーは「ザクロ」という名で、「人懐っこく、食い意地が張っている」性格。けれど、群れの中では決して強い存在ではなかったそうですが、なぜかこの撮影の瞬間は〝センター〟を飾りました。 そして8月下旬にあったこの撮影後の9月28日、ザクロは、天に召されたそうです。
「凶暴」?
カンガルーというと攻撃的なイメージもありますが、話題になった画像で見せたのは親しみの持てる姿です。 中ノ園さんは、メディアなどで散見される、群れを守るオスの防衛行動の一種やオス同士のメスをめぐる闘争の映像で、「凶暴なイメージ」がついたのではないかと指摘します。 「園内に限らず、カンガルーは基本的に温和な性格ですが、臆病で警戒心が強いです」 その中でもそれぞれのカンガルーに個性の違いがあるそうで、「ぜひお越しいただいてご確認ください」。 園は、カンガルーがストレスを感じないように展示しながら、生態を学べるように気を配っているそうです。 SNSで話題になったことには「カンガルーという動物の特性について興味を持っていただけると本望です」。
たくさんカンガルーがいる理由
そもそもなぜ、北九州でこんなにたくさんのカンガルーが飼育されているのでしょうか。 1989年4月に開園したひびき動物ワールド。施設の検討段階で、立地条件などが「オーストラリア東部に似ているのではないか」と考え、カンガルー類の飼育につながったと聞いているそうです。 当初は、オオカンガルー6頭、ロックワラビー5頭でスタートしましたが、その後、繁殖で数が増えていきました。 動物福祉の観点から繁殖制限を行い、現在のオスとメスの分離飼育に至ったそうで、「今後は血統管理を厳密にして、計画的な繁殖を行っていく予定です」と話しています。