熟成酒と最高の相性。発酵食のアテはいかが?
熟成酒と最高の相性。発酵食のアテはいかが?
今、静かなブームがきている「日本酒の熟成酒」。ワインやウイスキーばかりでなく、寝かせて「熟成」を楽しむ日本酒があるのだ。味に深みが増した熟成酒に合わせるには、同じく時を重ねた発酵食がぴったり。話題の熟成酒と、ともに堪能したいとっておきのアテレシピを、発酵食の第一人者に伺った。
「熟成酒には発酵食」のワケ
年月を費やし、深みとまろみが増した『円熟の酒』、熟成酒。奥行きのある味わいをゆったりと楽しみたいこの酒には、同じく時間をかけて生み出された『発酵食』を合わせたい。 発酵を広める第一人者である「kamose」代表・伏木暢顕氏は、「熟成酒は時間をかけて寝かせることで、落ち着きが生まれ、優しい味わいとなります。熟成酒に見合うアテとなれば、やはり麹を活かした発酵食ということになるでしょう」と語る。 「熟成酒はグイグイと呑むものではありませんね。作られた時と同様、ゆっくりと時間をかけて味わっていただきたい。発酵食も然り。麹の働きにより、旨味や甘みが増した発酵食は、深い味を堪能できる点が魅力です」。 ここでは3種の熟成酒をピックアップ。それぞれに合わせる最高のアテを、伏木氏に教えていただくとしよう。
【アテ その一】こはだ握り
<作り方> 1。開いた小肌(10尾)の背びれと尾びれを切り落とし、0。8%の塩をあてる。 2。本みりん(80g)を30秒煮切り、酢(120g)と合わせる。 3。1を2できつめ(20時間)に〆る。 4。野沢菜の根(150g)をみじん切りし、柚子胡椒(15g)、古代米甘酒(200g)を合わせる。 5。3の小肌を4に入れ、冷蔵庫で60時間漬け込む。 6。1合の白飯を固めに炊き、酢(13g)、塩(3g)、古代米の甘酒(20g)で酢飯を作る。 7。漬け込んだ小肌を6とともに握り、4の具材を小肌に飾る。
【アテ その二】へしこ澄まし
1。へしこは3枚におろして焼き、ほぐす(骨を取り除く)。 2。1をフライパンでじっくりと煎り、フードプロセッサーにかける。さらにフライパンでじっくり煎り、風通しの良い場所で一晩乾燥させる。 3。昆布と鰹でひいた出汁1。5リットルにへしこ1匹分の中骨を入れて1時間煮出す。塩を足して味を整える。 4。器にへしこを盛り、3の出汁を注ぎ、わさび(適量)をのせる。