「だめだ、だめだ」東京五輪後、心身の不調で引退…母・姉の支えで苦悩乗り越え復帰 萩谷楓選手(24)「私、走るの好き。次はマラソン」自分の走りと再び向き合う
■知人に誘われて出た大会が転機に
ところが、2023年7月、知人に誘われて出たランニング大会が転機に。軽い気持ちで出場し10キロを走りましたがー。 萩谷楓選手: 「『まあ別に走れるやろ』みたいな、その時は肺気胸も治っていたし。もう全然走れなくて、しんどくてしんどくて、市民ランナーの人に置いていかれる自分が悔しくて、次の日から朝練を始めました(笑)」 引退表明から3カ月、萩谷さんはひそかに練習を再開、競技に復帰しました。 現在はどこにも所属せず、関西を拠点に元の走力を取り戻している最中です。 トレイルランニングにも挑戦しています。 以前と大きく変わった点があります。それは走りに取り組む「姿勢」です。
■自分の体とよく対話するように
この日はハーフマラソンに向けての練習。 萩谷楓選手: 「今は全部自分で1カ月の練習メニュー組んで、考えてやっていますね」 以前は、与えられた練習メニューをこなすだけでしたが、今は、自分でメニューを組んでいます。 寮生活の中、当たり前のように提供されていた食事も、今は自分で作るように。 萩谷楓選手: 「自分の体とよく対話するようにはなった。自分でできることは自分でやるというのがアスリートのあるべき姿かなと思うので、知識として持っておくことにはいいかな」
■ロードレース復帰戦
10月20日、佐久市―。 萩谷楓選手: 「皆さんおはようございます!佐久市出身の萩谷楓です。本日はよろしくお願いいたします」 大勢のランナーを前にあいさつ。萩谷選手は20日、佐久平ハーフマラソンのゲストランナーに招かれました。 ハーフマラソンは初挑戦。ロードレース復帰戦と位置づけ、調整してきました。 2500人の市民ランナーと走り出した萩谷選手。
萩谷楓選手: 「(ロードレースに)帰ってきたという喜びと、楽しさと、うれしさとで、胸がいっぱいですね。本当に私、走るの好きやなって。楽しかったです」