【静岡競輪・GⅡヤンググランプリ】纐纈洸翔が鋭く差してV!「おめでとう」と言われて勝利確信
ズバッと決めた。目標にした村田を4コーナーで見限って内に降り、逃げ粘る太田のインに入り込んで一気差し。纐纈洸翔が初の大きな勲章を手にした。 「村田さんはいいスピードだった。いってしまうと思ったけど、バックであおりをもらったので。(太田)海也さんの後ろまで行って、内に突っ込んだときは〝開いてくれ〟と。一か八かでしたね」 太田の外を伸びていた中野に先着したのを確認し、「みんなに『おめでとう』といわれて、優勝したんだ」と勝利を確信した。パリ五輪で活躍したエリートの太田と中野をかわす値千金のゴール。2013年の猪俣康一(99期)、14年の近藤龍徳(101期)に次ぐ愛知から3人目の覇者となった。 兄弟子の近藤からは『自信を持って走れ』『気持ちで負けるな』と励まされていた。師匠の鰐渕正利(65期)はヨコでならした生粋のマーカー。臆することなくインコースへと突っ込み、門下生としても誇れる勝ち方だった。それでも舞い上がることはない。 「(ラインの)前で自力を出して、GⅠで力勝負ができるようにしたい。今年は夏場が終わって調子を落としたけど、優勝で締めくくれた。これを来年につなげたいですね」 22歳の若武者は信念と競走スタイルを貫き、精進を重ねていく。(宮本克美) ■纐纈洸翔(こうけつ・ひろと) 2002(平成14)年7月8日生まれ、22歳。岐阜県羽島市出身。愛知産業大学工業高卒業後、121回生として22年5月に四日市でデビュー(①①❷着)。日本競輪選手養成所順位は28位ながら、卒業記念レースを制した(同期の太田海也と中野慎詞は早期卒業)。ビッグレース優勝は今回が初めて。通算成績は227戦116勝、2着29回、3着18回。通算取得賞金は5922万3200円(28日現在)。173センチ、79キロ、血液型B。