メジャーやプロのスカウトが集結し…2m超も「大谷やダルビッシュに続け!」高身長投手たち真の実力
夏の甲子園大会予選が真っ盛りの現在、高身長投手が話題だ。 「今年は今までになく190㎝を超える好投手が揃っています。中には2m超えの選手もいるほど。長身の投手は打者めがけて角度のあるボールを投げられるうえ、恵まれた体格を活かして速いボールを投げやすいんです。 メジャーのスカウトが集結…2m超も「甲子園予選の高身長投手」驚異の連続フォーム写真 ダルビッシュ有(196㎝、パドレス)、大谷翔平(193㎝、ドジャース)、藤浪晋太郎(197㎝、メッツ傘下3Aシラキュース)、佐々木朗希(192㎝、ロッテ)など超一流に育った投手も多い。好素材を見ようと、予選試合にはメジャーを含む多くのプロのスカウトが押し寄せています」(全国紙スポーツ担当記者) ◆日米10球団が注目 注目の高身長投手たちの真の実力と素性を紹介したい。 筆頭は千葉学芸(千葉県)の菊地ハルン投手(3年)だ。パキスタン人の父と日本人の母との間に生まれた身長2m、体重103㎏の右腕。1年時から試合で投げ、3年でエースになった、入学時に120km前後だった球速は、2年強で最速149kmまで上がっている(以下、予選状況や成績は7月22日現在)。 「バランスの良い投球フォームからカーブ、スライダー、フォークなどの変化球を投げわける器用さを持ち、伸び代は十分にあるというのがプロの評価です。2回戦の佐倉戦には日米およそ10球団のスカウトが訪れ、バックネット裏にはスピードガンが並びました」(同) 千葉学芸は県予選4回戦で敗れたが、将来を期待される大型投手だ。 知徳(静岡県)の小船翼投手(3年)は198㎝、110kgの右腕。シニア時代には目立つ実績はなかったものの高校で注目され始め、今年春の大会では150km台を連発。県内の高校生タイ記録となる152kmを投げた試合では14個の三振を奪った。 「ストレートとスライダーを中心に投げ分け、直球はズシリと重い。夏の県予選初戦では日米7球団のスカウトが見守る中、最速148kmを投げました。打球が顔面を直撃し唇を切るアクシデントで途中降板しましたが、チームは勝ち将来が楽しみな投手です」(同) 東海大相模(神奈川県)の藤田琉生投手(3年)は198㎝、92kgの体格から低めに速球を集められる左腕。中学時代からすでに身長が193㎝あり、137kmの速球を投げて全国大会に出場するなど注目されていた。今夏の準々決勝・日大藤沢戦では7回を投げて3安打6奪三振無失点。ストレートは自己最速を更新する149kmを記録し、集まったスカウト陣の期待が膨らんだ。 「もともと左投手が少ない中で、高身長、150km近い速球を投げられるとあればプロが注目するのも頷けます。東海大相模は投手陣も豊富で藤田投手が予選で多く投げることはない。県大会を勝ち進んで甲子園に出た場合でも、疲労の少ない状態で投げられるでしょう」(野球専門誌編集者) 夏の甲子園で一昨年は優勝、昨年は準優勝した仙台育英(宮城県)には山口廉王投手(3年)がいる。193㎝、95kgの体格から 佐々木朗希のように左足を顔のあたりまで高く上げ、最速151kmを投げ込む。県予選3回戦の東北戦では8回2/3を無失点。準決勝と合わせてこれまで9回1/3を投げ、まだ点を取られていない。 「仙台育英は日本一となった’22年の夏には高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔の『150kmトリオ』がいましたが、今年も140km超え投手が9人揃う強力な投手陣です。そのなかでも山口投手は、須江航監督が『仙台育英の監督になってから一番注目している』というほどの素材です」(同) 前橋商(群馬県)の清水大暉投手(3年)も192㎝、92kgから最速148kmを投げ込む大型投手だ。2年時の昨年、夏の甲子園に出場してクラーク国際戦で2番手として登板した際には十分な結果を残せなかったが、それでも直球は144kmを記録した。 県予選2回戦では7球団のスカウトが視察するなか、最速143kmの直球と緩いカーブを投げ分けながら7回を6安打無失点で切り抜けチームは勝利。リリーフで登板した準々決勝では失点を許したものの自己最速を更新する149kmを投げた。清水投手が奮闘して県大会を勝ち抜けば、再び甲子園でピッチングが見られそうだ。 この他にも最速151kmを投げる報徳学園(兵庫県)の今朝丸裕喜投手(3年、188㎝、80kg)など、注目の大型投手はいる。紹介した高校生高身長投手が将来、大谷やダルビッシュに続きメジャーやプロの大舞台で躍動するかもしれない。 取材・文・撮影:形山昌由 ジャーナリスト
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