相次ぐ米兵性犯罪…沖縄県民ら「またか」「隠蔽疑う」、県議会も反発、超党派で抗議へ
少女暴行事件に続いて、新たな米兵による性暴力事件が明るみに出た28日、沖縄県議会や県民からは女性が犠牲となる被害に憤りが噴出した。前回に続いて事件に関する連絡が県になかったことにも超党派で反発が広がっている。 【写真】沖縄県の池田副知事(右)から抗議文を受け取る第18航空団エバンス司令官(27日、沖縄県庁で)=桜木剛志撮影
28日に開会した県議会では早速、米軍基地関係特別委員会が設置され、日米両政府に提出する抗議決議・意見書案の議論が始まった。本会議には保守、革新の政治的立場を超えて超党派で提出される見通しで、近く執行部の説明を受け、文言調整を進める。
自民党県連幹事長の島袋大県議は「政権与党とはいえ、県民の命と財産を守るために言うべきことは言う。県に伝達しなかった外務省の対応は遺憾。対応を改めるべきだ」と強調した。県連所属議員らは29日、宮川学・外務省沖縄担当大使に、米兵による事件・事故の情報共有などを要請する。
玉城デニー知事の支持会派の会派長・山内末子県議は「情報を共有して対策を取れば事件を防げたかもしれない。報告した上でプライバシーを保護する手立てはあるはずだ」と述べた。
県民からも怒りの声が上がった。那覇市の非常勤公務員(44)は「性犯罪が繰り返されてきたので『またか』という感じだ。被害者のプライバシーも大事だが、県に早く伝わっていたら県民に注意喚起ができたはずだ」と話した。同市の農家(58)は「表面化していない被害がたくさんあるのではないか。国や捜査機関の意図的な隠蔽を疑ってしまう。再発防止に本気で取り組む姿勢も感じ取れない」と語った。
米軍関係者による事件は後を絶たない。県警によると、今年1~5月の米軍人・軍属らによる刑法犯の摘発は28件(33人)(暫定値)。このうち、凶悪犯は5件(4人)で、不同意性交(致傷含む)が3件(3人)、強盗(未遂含む)が2件(1人)となっている。不同意性交の別の1件は成人女性に対するもので、不起訴となっている。