【選手権】東福岡、PK戦の末に静岡学園破り4強 県予選から無失点で国立へ
第103回全国高校サッカー選手権大会は4日に準々決勝を実施。Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行なわれた静岡学園と東福岡の一戦は、0-0(PK:5-4)で東福岡が勝利し、11日に行われる準決勝へと駒を進めた。 【フォトギャラリー】静岡学園 vs 東福岡 今季、プレミアリーグでの対戦成績は1勝1分と東福岡が優勢で、静岡学園は1点も取れていない。3度目の正直を狙った今回の対戦では「とにかくテクニック。自分たちの個人技で何とか(ゴールを)こじ開けたかった」(川口修監督)と前半から静岡学園らしいドリブルとパスを判断よく使い分けた攻撃的なスタイルで東福岡を押し込んだ。 前半16分には勢いよく右サイドを駆け上がったDF6野田裕人(3年)のパスがゴール前のFW11加藤佑基(3年)へ。粘って溜めたボールを後ろに下げ、MF10堀川隼(3年)がゴールを狙ったが、素早く身体を寄せたDF4大坪聖央(3年)がブロック。26分にはDF14鵜澤浬(3年)の左CKをファーサイドの堀川が折り返し、MF8天野太陽(3年)が頭で合わせたが、DF2柴田陽仁(3年)がヘディングでクリア。こぼれ球を狙ったMF7原星也(3年)のシュートも枠を捉えることができない。 「80分の中でやっぱり相手のブロックが非常に強かった。そこをこじ開けるためにどうしたら良いのかを考え、ドリブルとパスワークで攻めようと思っていた。裏のスペースがなかなかなくて、裏取りができなかった」。そう振り返るのは川口修監督だ。 後半に入ってからも静岡学園のペースは続く。「シズガクさんが本当に上手いので、相当パワーアップしていてピッチに入って磨かれているなと更に驚きました。特に相手SBに剥がされるのがきつかった。あそこからビッグピンチが生まれていた」と話すのは平岡道浩監督で、鵜澤と野田の両SBを起点とした静岡学園の攻撃に手を焼いた。 後半8分には落ち着いたボール回しから、右サイドに展開。後半から入ったMF13篠塚怜音(3年)がゴール前にパスを入れたが、懸命に戻ったMF8佐藤宏燿(3年)に対応され、シュートは打てない。27分にはPAの右角をとった天野がゴール前にマイナスのパスを入れて、FW9乾皓洋(3年)がシュートを放ったが、DFのカバーに阻まれた。 「後半は代えたFWの足元につけて、そこから打開したかったのですが、怖かったのか、相手が強くて入れられなかったのか分かりませんが、外外になってしまった。攻撃が単調になってしまった」(川口監督)。 我慢の時間が続いた東福岡はなかなかカウンターも繰り出せず、後半の決定機は31分には左CKの入れ直しから放った大坪のヘディングシュートのみだったが、DF5山禄涼平(3年)と大坪のCBコンビを中心に守備陣が粘り強い守りを継続し、失点を回避しづけたのは大きかった。40+1分には篠塚からDF裏に入れられたボールに天野が反応し、シュートまで持ち込んだが、山禄が並走し、簡単には打たせなかったことでボールは枠から逸れた。 迎えたPK戦は両者3人まで成功。4番目の先行、静岡学園の野田が放ったシュートは枠の上に逸れたが、決めれば終わりの東福岡の5番目のキックも枠外へ。6番目は先行の静岡学園が枠を外し、後攻の東福岡が決めたことで勝敗が決した。 (文=森田将義 写真=矢島公彦)