法務省＝本橋和夫撮影

　大津市の民家で保護司の新庄博志さん（60）を殺害したとして保護観察中だった飯塚紘平容疑者（35）が逮捕された事件を受け、法務省は8日、全国50カ所の保護観察所に対し、保護司が保護観察を担っている全ての事件を総点検するよう指示することを明らかにした。各地の観察官を通じて全ての保護司と連絡を取り、トラブルの有無などについて6月末までをめどに聞き取る方針だ。 【写真】殺害された保護司の寄稿文 　法務省幹部は「2人の間でトラブルは把握していない」と語った。 　飯塚容疑者は6年前に関与した強盗事件で保護観察付き執行猶予判決を受け、新庄さんが保護司として観察中の飯塚容疑者を担当していた。 　滋賀県警によると、飯塚容疑者は5月24日夜以降、大津市仰木の里東6の新庄さん宅で、新庄さんを刃物のようなもので襲い、出血性ショックで死亡させた疑いが持たれている。24日は午後7時から、新庄さん宅で面接を受ける予定が入っていたという。 　新庄さんの遺体は26日、自宅を訪れた親族が発見した。県警はこの2日後の28日深夜、現場近くでナイフを持ち歩いていた飯塚容疑者を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕していた。【三上健太郎、岩本一希、斉藤朋恵】 　　　◇ 　毎日新聞は前科の報道について慎重に判断していますが、今回は保護司と保護観察対象者の関係性を考慮し、事件の重要な要素として報じました。