クレカ表現規制に対するVisaの見解、山田議員が日本法人に「価値判断しない」と再確認 社長の発言を受け
山田太郎参議院議員は12月2日、ビザ・ワールドワイド・ジャパンに対し、クレジットカードの表現規制について「内容に関する基準は定めておらず、判断もしていない」とする見解を再確認したと、自身のXアカウント(@yamadataro43)で明かした。同社のシータン・キトニー社長へのインタビュー報道にて、成人向けコンテンツの販売に対し「時には、ブランドを守るために、使えなくすることが必要になる」との発言があったことを受け、改めて確認したとしている。 【画像を見る】発表全文(1/2)【全3枚】 山田議員は8月、クレジットカードの表現規制を巡って米Visa本社を訪問し、「Chief Risk Officer」「Vice President Payments Policy」「Global Government Engagement」「Global Policy」ら各責任者と会談したと発表していた。その中で、Visaから「取引について、合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」などの説明を受けたとしていた。 他に、成人向けコンテンツについても「(1)年齢に関するルールが順守されていること(児童ポルノではないこと)(2)合意のもとで提供されるものであること、という万国共通の基準を定め、それに基づく判断を行っているが、内容に関する基準は定めておらず、判断もしていない」「VISA規約についても、本社は基準を決めているのみで、判断を行っていない(判断を行うのは現場)」などの見解をVisaが明かしたとしていた。 今回の社長の発言について、山田議員がビザ・ワールドワイド・ジャパンに確認したところ、「VISA本社が山田議員に回答した内容に変更・追加はない」「報道のコメントは、アクワイアラー(加盟店契約会社)や決済代行会社等の現場の判断としてそのような場合があることを承知しているというもの」との返答があったという。 これを受け、山田議員は「国民生活の安定と向上、公正かつ自由な競争の促進、表現の自由の確保等の観点から、国際ブランド・アクワイアラー・決済代行会社・イシュアー(クレジットカード発行会社)のそれぞれについて、どのようなルールが必要なのか、引き続き検討を進めていく」としている。 クレジットカードの表現規制を巡っては、2022年7月のDMM.comでのMastercard利用停止を皮切りに、成人向けコンテンツを扱うECサイトなどでの、特定のクレジットカードブランドの取り扱い一時停止が急増している。直近では、絶版マンガなどを配信するサイト「マンガ図書館Z」の運営元が、10月末に主要クレジットカードブランドの取り扱い停止を表明。資金繰りなどに問題が生じたとして、サービス終了の発表に至っている。11月8日には、同人誌の通販などを手掛けるメロンブックスがVisaでの決済を12月19日で停止すると発表していた。 こうした状況を踏まえ、3日に「クレジットカード会社等による表現規制『金融検閲』問題を考える」と題した院内集会が参議院議員会館で行われる。表現の自由の擁護を目的に活動する団体「うぐいすリボン」が主催する。山田議員も登壇するとしており、ITmedia NEWS編集部では同集会の取材を予定している。
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