「改正道交法バンザイ!」自転車の罰則強化に歓声を上げる人々が、かくも多いワケ
そして青切符導入で、信号無視や右側通行、一時停止無視や歩道の徐行違反など、今日日常的に見られる自転車の交通違反にもメスが入れられることになる。 もはや自転車は、歩道と道路を縦横無尽に行き来できる好き勝手な乗り物ではなく、交通ルールの遵守を義務付けられる乗り物となることが期待されるのであった。 反則金などの詳細は今後政令で定められる予定らしいが、参考までに言うと、たとえば原付バイクの場合、「ながら運転は反則金1万2000円、イヤホンをしているなどの安全運転義務違反で反則金6000円となる。 これまで世間に「歩行者の仲間」的に認識されてきた自転車ではあるが、道交法に定められた通り「軽車両」として扱う傾向が今回の改正道交法でも明確になってきていることから、おそらく自転車に課される反則金も原付に近いものになると想定される。 ● 危ない自転車だけじゃない 「モペット」もきっちり取り締まり態勢 ここ最近、急に流行り始めて無法な乗り物として猛威をふるっていたモペットも、11月1日施行の道交法改正できちんと取り締まられることになった。 モペットは「ペダル付き原付」で、ペダルを漕いで走行することもできるし、モーター(エンジン)で走行することもできる。見た目は「タイヤが太い自転車」といったところだが、道交法では「原付」に分類されていて、走行にはヘルメット、免許、ナンバープレートなど原付と同等の装備が必要だし、交通ルールも原付に準じる。 しかし、モーターを切ってペダルを漕げば自転車のように利用できるので、原付と自転車の間を自在に行ったり来たりできる乗り物のようでもあり、悪い利用者にとっては「都合のいいときに原付にも自転車にもなれる」ことが可能な万能性を備えていた。モペットで取り締まられた違反者は「自転車だと思っていた」「今は自転車として利用していた」という言い訳がしやすく、交通違反の温床となっていたのである。 だが今回の改正道交法では、ペダル付き原付をペダルで漕いで進んでいてもそれは原付であると明文化された。利用者間で「モペットは完全に原付」という認識も広まるだろうし、「自転車だと思っていた」の言い訳の余地をなくすことで、取り締まる側もやりやすくなるであろう。