鎌田大地クリスタルパレス加入「最初は残念だったが…」バイエルン伊藤洋輝40億円移籍は「ビックリだよ!」ブラジル人記者が斬る移籍動向
エンドウの後継者になれるチャンスじゃないかな
――3人の中で最も注目しているのは誰でしょうか。 「佐野なんだ。彼の強みは3人の中では最も守備力があること。さらにボールを前に運ぶ能力があることも示している。例えば日本で取材した5月のサンフレッチェ広島vs鹿島アントラーズ戦がそうだったんだ」 ――前半に鹿島が2点を奪いながら、1点差に詰め寄られた中での後半39分のプレーですかね。 「そう。高い位置でのボール奪取からそのままペナルティエリア内に入り込み、チャヴリッチのゴールに関与した。こういったプレーをドイツでも見せてくれるはずだし、高いレベルでプレーすることで、さらに成長するだろう。日本代表でも遠藤航の後継者となる絶好のチャンスじゃないかな」
カマダについては…少し残念だったけど
――なるほど。同じ中盤センターとして聞いてみたいのは、鎌田大地についてです。 「鎌田に関しては最後は巻き返したけど、持っている才能を思えば少し残念な1年だった、というのが正直なところかな」 ――その中でオフにラツィオ退団を選択。そして7月1日にプレミアリーグのクリスタルパレス加入が正式に決まりました。それについてはどう感じているでしょうか? 「ラツィオというイタリアのビッグクラブを離れてイングランドの中堅クラブに行く。その報道に最初に触れた印象はあまりポジティブではなかったんだ。クラブのネームバリュー的ではキャリアの後退に見えるし、ラツィオで成功するためにもっと自分自身に挑戦してほしかったけど、競争力という点では、間違いなく世界最強のリーグでプレーする。それは前向きに捉えていいかなと思い始めている」 ――鎌田は在籍1年で移籍を決断したわけですが、その要因はどう考えますか? 「鎌田は、将来的なキャリアや日本代表での地位を失うリスクを考えて、変化の必要性を感じたのかもしれない。それは日本代表をめぐる環境の変化がある。数年前までは、セリエAやプレミアでプレーしていた選手には、立ち位置が保証されていた印象があるけど、今は競争はかつてないほど激しくなっている。現状、鎌田は日本代表の中盤で盤石の立ち位置にはないよね。それは日本代表全体が底上げされているというポジティブな面でもあるけど」 ――なるほど。 「とはいえ鎌田もイタリアで、シーズン終盤はポジティブなプレーを見せてくれたよね。さらにプレーメーカー、ナンバー8(センターハーフ)両方でプレーできるという利点があり、プレミア挑戦への期待は大きいよ。クリスタルパレスのグラスナー監督はフランクフルト時代の恩師。パーソナリティを含めて鎌田の特性を存分に把握しているはずだからね」
プレミア勢…トミヤスとミトマは不運な面もあったかな
――鎌田の移籍が決定的とされるプレミアリーグでは、遠藤航に冨安健洋、三笘薫や橋岡大樹もこの1年奮闘しました。 「それぞれ本当に頑張ったよね。遠藤と冨安はリバプールやアーセナルといった名門でプレミアの優勝争いを繰り広げたし、三笘もスーパーゴールを決めていた。ただ冨安と三笘はちょっと不運な面もあったかな」 ――というと? <つづく>
(「サッカー日本代表PRESS」NumberWeb編集部 = 文)
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