「いい感触」大谷翔平、確信歩き16号!右中間にライナーで5戦ぶり一撃 二盗で両リーグ最速15本塁打&15盗塁
◆米大リーグ ドジャース15―2レンジャーズ(11日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) ドジャース・大谷翔平投手(29)が11日(日本時間12日)、本拠地・レンジャーズ戦に「2番・DH」でフル出場。6回に球団史上最多となる1イニング4本塁打の口火を切る16号2ランを放つなど、2打数1安打2打点、3四死球の活躍で、チームの今季最多15得点での快勝に貢献した。初回には今季15個目の盗塁となる二盗も成功。両リーグ最速で「15本塁打&15盗塁」にも到達した。岩手・花巻東の先輩・菊池雄星投手(32)も5回無失点で4勝目を挙げた。 打った瞬間、打球の行方を確信した。大谷は走り出さなかった。6点リードで迎えた6回1死一塁の4打席目。昨年6月12日にも本塁打を放っていた3番手右腕・アンダーソンの92・2マイル(約148・4キロ)直球を捉えた。「甘い球を最後、しっかりといい形で打てた」。今季の本塁打では2番目に速い打球速度114・2マイル(約183・8キロ)という強烈な打球が、右中間席に突き刺さった。 5試合ぶりで、本拠地では5月17日のレッズ戦以来の一発となる16号2ランに、5万1416人のファンは総立ち。球団では21年9月29日パドレス戦の8回以来3年ぶり6度目で最多タイの1イニング4本塁打の口火を切った。飛距離433フィート(約132メートル)という会心の一撃に「(前日の)休みを挟んで今日は新たな気持ちで、またいい感触だった。これをまず継続していきたい」と納得だった。 初回には今季15個目の盗塁となる二盗を成功。これまでは白を基調としたスパイクだったが、青に新調して快足を飛ばした。両リーグ最速で「15本塁打&15盗塁」に到達。この試合はチーム68試合目で、「38・1発&35・7盗塁」ペースとなった。本塁打以外でも3四死球で出塁。足、選球眼でも持ち味を発揮し「(本塁打以外の)その他の打席も基本的にはいい打席だったので、今日は良かったんじゃないかな」と昨季月間15発を放った得意の6月の巻き返しへ手応えを口にした。 2~5番の4人が本塁打を放つなど、昨季の世界一軍団が7回から野手を登板させざるを得ない状況に追い込み、5発15得点で12連戦初戦を快勝。大谷も「全体的にいい試合ができて強いチーム相手にいいゲームだった」とうなずいた。花巻東の後輩・佐々木麟太郎が“米1号”を放った日に、7、8、9日の敵地ヤンキース3連戦は13打数2安打と沈み気味だった先輩も、復調の兆しを見せた。(安藤 宏太) ◆常識にとらわれず突き進む伝統 岩手から遠く離れた米国で、花巻東トリオが躍動した。佐々木と大谷が本塁打を放つと、菊池も4勝目を挙げた。 3人は切磋琢磨(せっさたくま)している。大谷は高校進学時に、多くの誘いがあった中で、中学3年に上がる時期に目にした09年春のセンバツでエースとしてチームを準優勝に導いた菊池の姿に胸を打たれて進学を決断。「他の選手と違って特別な気持ちもある」と話したこともあった。 2人を指導した同校・佐々木監督の長男でもある麟太郎は、幼少期から大谷や菊池の姿を目に焼き付けてきた。大谷は後輩の異例の米進学という決断を、自身も二刀流という前代未聞の道を進んだだけに「どういう道に進んでも、本人が納得できればそれは素晴らしいこと」と背中を押した。常識にとらわれず、自ら考えて突き進む伝統が菊池、大谷、そして麟太郎と受け継がれている。
報知新聞社