舞踏歴73年目の朗報 旭日重光章受章のバレリーナ、森下洋子さん「一瞬一瞬を大切に」
旭日重光章の受章が決まったバレリーナ、森下洋子さん(75)は、「踊りって一瞬で消えてしまうもの。だからその一瞬一瞬を大切に、自分より多くの人が幸せになるものを作りたい」と語った。 日本から世界に羽ばたいた、バレリーナのさきがけだ。ヴァルナ国際バレエコンクールでの金賞、パリ・オペラ座出演など「日本人初」の称号がついて回り、世界文化賞も受賞。それにも増して驚異的なのが、今も現役プリマとして「白鳥の湖」など、全幕作品に主演し続けていることだ。 舞踊歴73年目の朗報にも、「恥ずかしい」と150センチの体を縮める。それでも3歳から休みなく踊り続けた足跡を振り返ると、「70歳以上で、現役で踊るのは世界でもないこと」と力を込めた。 広島市出身。被爆した祖母は左半身に大やけどを負ったが、愚痴一つ言わず「こうして生きられうれしい、と感謝と喜びを伝えてくれた」。 今年の12月も松山バレエ団の「くるみ割り人形」に主演する。平和への願いを毎年、踊りに込めている。(飯塚友子)