新たな形で復活を 「遠山谷の盆踊り」学ぶ講演会【長野県】
長野県飯田市南信濃の遠山郷土館で8月31日、学習講演会「遠山谷の盆踊り」があった。コロナ禍以降できていなかった同地区和田の盆踊りを新たな形で行おうと、機運を高める目的で開催。市美術博物館学芸員の近藤大知さん(29)から、南信濃と上村2地区の盆踊りの特徴などを学んだ。 美博と、和田の自営業者らでつくる「和田宿にぎやかし隊」が主催した。近藤さんらによると、かつて遠山郷の各地区では盆踊りが盛んに行われていたものの、戦後をピークに下火になった。和田では夏祭りなどイベント内の催しの一つとして続けていたが、コロナ禍以降は取りやめていたという。 同隊は、開催時期や場所を見直して再開しようと模索。イベント名を「秋の街道彼岸祭り 遠山をどり」として今月22日、新たなにぎわい拠点として整備中の「ゆたかやベース」周辺での開催を決めた。 学習会で近藤さんは、遠山郷で盆踊りが盛んだった11地区について概要をそれぞれ説明。上村上町でうたの一つ「絵島」の保存活動が起こったことや、当時を知る住民から様子を聞き取った結果などを紹介した。近藤さんは「これまでも下火の時代はあったが、何とかしようと動きがあった。遠山谷の盆踊りの価値を再び見直し、今後につなげていこう」と呼び掛けた。参加した住民が実演する場面もあり、最後は全員で輪になって踊って閉じた。 関連し、遠山郷の2カ所でトピック展示を開催中。遠山郷土館と上村まつり伝承館「天伯」で各地区の盆踊りについてパネルで紹介している。無料。11月15日まで。