中古で購入したマンション、忘れていた「トランクルーム」の存在 足を踏み入れてみると…恐怖! 困った「残置物」問題
中古のマンションや一戸建て情報をチェックしていると小さな字で「現況優先(げんきょうゆうせん)」の文字が気になったことはありませんか? 【漫画】「現況優先なもんで、お許しを!」なんて言われても…(全編を読む) 間取り図や、外観・室内の写真などで候補となる物件をチェックするわけですが、そこに掲載されている状態と引き渡しされる物件の状態は必ずしも一致しません。そのなかでも「細かいことだけれども意外とあるある」なのが「引き渡しのときに前の持ち主が持って行く・片づけていくと思い込んでいたものが残っている!」という残置物(ざんちぶつ)」トラブルです。
古い箪笥や鏡台、食器棚「大切にしてください」
Aさん(関東在住、50代、会社員)夫婦は、お互い50代で初婚同士のDINKSカップル。戸建ての生活にあこがれはあったものの、これからのローン年数を考慮して中古の一戸建てに絞って家探しをされたそうです。そこで見つけたのが、老夫婦が施設に入居するのをきっかけに手放すことにしたという戸建てです。築40年と古いものの、大手ハウスメーカーが建築。リフォームもきちんとされていたことから、購入を決めました。 元の持ち主の「愛着のある家を『そのまま住んでくださる方』にお譲りしたい」という言葉に、「こんなにしっかりとメンテナンスされてきた家なら安心」と喜んでいたのですが…。 契約後、施設の入居日の関係でさらに1カ月ほど時間がかかったものの、特に心配することもなく引き渡し日を迎えたAさん夫婦。しかし家の中に入ってビックリしたのは「大型の家具がたくさん残されていること」でした。 いかにも昭和な婚礼ダンスや鏡台、ダイニングルームに置かれた「水屋」という雰囲気の食器棚…。撤去どころか、家の中で模様替えするにも、プロの引っ越し業者さんの手を借りないと太刀打ちできないような「重量感のある家具」がたくさん残されていたのです。 あわてて不動産会社を通じて前の持ち主に連絡をとってもらうと「残した家具はほとんど家を建てるときに大工さんに造り付けてもらったもの。とても良い品です。大切にしてくださいね」とのこと…。 善意で残されたものだけに、廃棄していいものか悩んだAさん。現在は奥様の好きな「カントリー調家具」とのアンバランスさに囲まれた生活を続けられているそうです。