森崎ウィン、広がる仕事の幅『どうする家康』とハリウッド大作が繋げてくれた「縁」
作品への参加で強くなった思い
そんな彼が'18年に出演したハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』が繋げてくれたのが、人気アニメ「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」の完全新作となる『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』。'06年の発表から約18年の時を経て完成した作品で、新キャラクターのグリフィン・アルバレストの声を演じている。 「僕のことを多くの方に知っていただけるきっかけとなった『レディ・プレイヤー1』のセリフ“俺はガンダムで行く!”の繋がりで今回のお話をいただけたのだと思っています。オファーをいただいたときはうれしかったですし、“やっと来たか”とも思いました(笑)」 ミュージカル『SPY×FAMILY』で演じたロイド・フォージャーのアニメ版の声優である江口拓也さんにガンダム作品に挑戦することを伝えたところ、 「“えっ! 本当に!? 声優はみんな目指すところだよ”と言われて。やはりすごいお仕事をいただけたんだなと思いました。客観的に考えて、素晴らしい経歴の声優の方々と肩を並べて戦えるとは思えない。 ただ、歌うことを仕事にしている人間として、素質がゼロではないと感じていました。使う筋肉が少し違いますが、芝居の延長でもありますし。江口さんからいただいた“福田己津央監督に、素直に全部従ったほうがいい”というアドバイスどおり最善を尽くしました。アニメの声優の経験が少ない僕にとって、とても貴重な機会でしたね」
すごく皮肉なこと
生まれながらに優れた身体能力や頭脳を持つ人類・コーディネイターと、自然のままの人類・ナチュラルとの戦いをメインに国家間の闘争を描く作品。 「すごく皮肉なことですが、『ガンダム』が発信し続けている差別、紛争、戦いに対する思いというようなメッセージ内容は、作品が始まったころから現在までほぼ変わらないように思います。それは、人類があまり成長していない証しでもあると思うんです。本当なら、初期のガンダム作品を見て“もうこんな時代じゃないよね、古いね”と言える世界にならないといけないはずなので」 そして、なぜこれほどまでに長く多くの人たちから愛される作品なのかを続ける。 「『ガンダム』がすごいと思うのは、本質的なメッセージを伝えるだけでなく、アニメとしてロボットやモビルスーツというような“うわっ、すごい!”と純粋にワクワクさせてくれる要素もあるところ。今回の作品もそうですが、映像も美しいですし。そこが愛される理由だと思います」 今作を経験し、声優への思いが強くなったのではと尋ねると、 「もちろんです!ただ、肩書を一つに決めることも大事だと思いますが、僕はそっちの考えではなくて。自分の能力をどんどん出せる場がいっぱいあるとうれしいなと思います。それと、やっぱり映画が好きなので、海外、それこそアジアの作品のオーディションを受けてみたいですね。ここ数年は、あまり海外作品に挑戦できていなかったこともあるので。改めて、英語の勉強もしっかり取り組んでいきたいと思っています」 '24年プライベートでの目標 以前からハマっているキャンプに行きたいですね。去年はほとんど機会がなかったので。大河をやらせていただいたので、徳川家康にゆかりのある静岡県のキャンプ場もいいなと思っています。 ヘアメイク/宇田川恵司(ヘリオトロープ) スタイリスト/森田晃嘉