高さだけじゃなく速さも武器。仙台育英が明桜に快勝で1年でのプリンス東北復帰に王手
12月16日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2023プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)1回戦が12月17日、Jヴィレッジにて2試合行われた。第1試合は宮城県リーグ1位の仙台育英と秋田県リーグ1位の明桜が対戦した。共に昨年までプリンスリーグ東北に参入しており、1年での復帰を目指すチーム同士の対戦となった。 【フォトギャラリー】仙台育英 vs 明桜 この日の仙台育英はFW菊地蓮太(3年)が欠場で、FW伊藤俊輔(3年)もベンチスタート。共に180cm超の長身2トップが売りだったが、2人とも欠くことになった。それでも16分コーナーキックのチャンスからペナルティエリア内でDF渡邉留唯(2年)が倒されPKを獲得する。DF面田凌(3年)が落ち着いてPKを決めて先制した。しかしその後は明桜も自慢のポゼッションで徐々に相手陣内に攻め入りチャンスをつくる。そして前半終了間際の45分明桜はコーナーキックのチャンス。こぼれ球がフリーとなっていたDF目黒琥珀(3年)に渡り、シュートを決めて同点に追いつく。前半は1-1で終えた。 後半仙台育英は温存していたFW伊藤を投入する。これで得意のクロスからの攻撃が多く見られるようになり、明桜ゴール前で迫力ある攻めを見せた。そして54分クロスからゴール前で混戦になり、ボールを受けたのがこの日先発出場のFW佐藤裕(3年)。「後半伊藤と組んで、競れるしそらすのもうまいのでやりやすかった」という佐藤はこぼれ球に反応してゴールを奪い、再び明桜を突き放す。さらに62分DFライン背後に抜け出した佐藤がペナルティエリア内で倒されまたもPKを獲得。今度はMF中西大晴(2年)がPKを決めてリードを広げた。このまま3-1で勝利し、仙台育英が17日の参入決定戦へ駒を進めた。 仙台育英城福敬監督は「後半、伊藤と(佐藤)裕で崩して行けて良かった」と伊藤の長身と、スピードのある佐藤の組み合わせがうまくいったことを喜んだ。伊藤とこの日欠場の菊地との長身2トップの破壊力が武器だが、「裕は抜け出しが脅威なので、今日結果を出したのは大きいです。武器になる奴が控えているのは大きいですね」と高さだけでなく、速さも武器として見せられたことは選手権にもつながると城福監督は喜んでいた。 佐藤は城西大に進学した兄のFW佐藤遼の後を追い仙台育英に進学し、1年生から公式戦出場を重ねてきたが、「今まで体調不良やケガが多かったです。今大会(菊地)蓮太がいなくて、伊藤も途中出場になるので、練習からスタメンを取ってやろうと思って結果が出て嬉しいです」とスタメンを勝ち取ってゴールを奪えたことを喜んだ。決定戦の相手遠野は1月の東北高校新人大会で敗れた相手。「圧倒して自分の活躍で勝ちたいです」とリベンジに燃えていた。 一方の明桜だが、原美彦監督は「前半からチャンスはつくれたが、つまらない軽率な失点が多く、ボールを待ってしまったのが目に付きました」と後手に回ってファウルになって、2つもPKを与えてしまった守備を課題に挙げた。キャプテンGK川村晃生(3年)も「ラフプレーが多くてイエローを多くだしてしまいました。ファウルや不用意なミスをしないいことを選手権で突き詰めたいです」と出た課題を修正し、月末の選手権に向けて気を引き締めていた。 (文・写真=小林健志)