トラックドライバーを若者あこがれの職業に!“還暦の社長”によるトラックドライバーをテーマにしたPodcast番組、その想いとは
株式会社カワキタエクスプレスは、トラックドライバーをテーマにしたPodcast番組「カワキタのドラゴンロード ~険しいけど楽しい道~」の配信を2024年8月30日に開始した。 【写真】番組の収録に臨む、株式会社カワキタエクスプレス代表の川北さん 番組は毎週金曜の17時に「Apple Music」「Spotify」「Amazon Music」で配信され、全国のトラックドライバーや、就職・転職活動中の人に向けて、日々の暮らしに欠かせない職業であるトラックドライバーのイメージ向上を目指したメッセージを届けている。 番組に込めた想いなどを担当者に聞いた。 ーーPodcast番組を始めた意図や狙いは? 「物流の2024年問題」を迎えた現在、運送業界では例年よりも「採用に関する問い合わせ」が減少傾向にあります。そこで、まずは若い世代にドラックドライバーという職業を身近に感じてもらうことが重要であると考え、番組を制作することにいたしました。 運送業界に携わる私たちが「トラックドライバー」という職業に誇りを持ち、労働環境が整った会社でやりがいを感じながら働く姿を発信することが、トラックドライバーに興味を持つ若者を増やすための一助となればと思っています。 ーー番組のイチオシ、目玉となるものは? 「還暦社長がトラックドライバーに興味を持つ若者を増やすために挑戦し続けている姿」にも注目していただけたら幸いです。 ーー番組のアイデアはどのようにして生まれた?また、その実現に向けて苦労した点は? もともと音声配信への興味はありましたが、きっかけは社員の1人がPodcast番組を趣味で配信していることでした。そこから10代~20代の若年層ユーザーが多いことを知り、番組を通して物流やトラックドライバーという職業に興味を持っていただくためのきっかけになればと思い、配信を始めました。まだ配信を初めたばかりということもあり、音声のみで情報を伝えることの難しさに苦労しています。楽しい番組となるよう、テンションの上げ方や話し方など、手探りしながら配信していきたいと思っています。 ーーユーザーへのメッセージは? 「2024年問題」といえば、“過酷な労働環境”や“運賃の値上げ”など、どうしてもネガティブな話題が多くなりがちですが、そもそもこの問題は働き方改革から始まった話です。昔のように長時間労働で少し無理をしてでもお金を稼ぐというやり方では、今の若者はトラックドライバーになりたいとは思えないでしょう。 しかし、物流の根幹を担っているトラックが止まったら、社会も経済も生活も止まり立ち行かなくなってしまいます。そのためには上記のような「いずれ起こるかもしれない問題」も踏まえながら、「どうすれば若者がトラックドライバーに興味を持ってもらえるか?」を考えることが重要です。 高校生にも出前授業で話をするのですが、物流という仕事は人の営みがある限り絶対になくならない必要とされる仕事です。だからこそ労働環境や待遇も含めて、若者たちが働きたいと思う業界になっていかなくてはいけません。 そのために業界全体でDX化を進めて作業効率を上げるほか、丁寧な挨拶やコミュニケーションを徹底し、ものを運ぶ以外に「あのドライバーさんがくると元気になれる」とか「気持ちよくなれる」という心も届けられるようになれば、物流業界はもっと良い方向に進んでいけると考えています。 ■「物流の2024年問題」後の採用数減少に危機感 厚生労働省の調査(※1)によると、2024年6月時点で全職種の平均有効求人倍率は1.23倍、トラックドライバーを含む「自動車運転従事者」の有効求人倍率は2.45%(2023年6月は2.53%)だった。 ドライバーの待遇改善を求める「物流の2024年問題」を迎えた現在も、依然として働き手が足りない状態が続いている。特に2024年は例年よりも採用に関する問い合わせが減少傾向にあり、株式会社カワキタエクスプレスでも2023年の4月~6月に15件あった問い合わせ件数が、2024年は半数以下の6件となっている。 トラックドライバー全体の高齢化・慢性的な人手不足の対策に向けて、今後も労働環境の整備が求められている。 ■「トラックドライバーのイメージ向上」を目指したメッセージを発信 日本の人口減少により労働者不足がさらに深刻化する「2030年問題」も見据えて、まずは若い世代にトラックドライバーという職業を身近に感じてもらうために番組をスタート。トラックドライバーにもなじみのある音声メディアでも情報を発信していこうと、Podcast番組という形を選んだ。 番組では「運送・物流業界のドライバー不足」を社会全体の問題として捉えられるよう、「2024年問題の解決に向けた会社の取り組み」「ドライバー未経験者の採用・育成に注力する川北さんの考え方」などが発信される予定だ。 ■トラックドライバーをあこがれの職業に! 「トラックドライバーを若者があこがれる職業にしたい」という強い想いから、川北さんは2009年ごろから未経験者の採用・若手社員の育成に注力してきた。現在では、未経験者率93.5%・平均年齢29.9歳・離職率5パーセント(2024年6月時点)の運送会社となっている。 世間では「ドライバーの2024年問題」が取り上げられる中で、トラックドライバーのマイナスイメージ(長時間労働・きついなど)が注目されたことや「運賃の値上げ」「今後の配送スピード」などが話題に上がっている。そんな現状に対し、物流・運送業界のポジティブな面に注目してもらえるような活動が必要だと考え、番組制作にいたった。 ■番組について 番組名:Podcast番組「カワキタのドラゴンロード ~険しいけど楽しい道~」 配信日時:毎週金曜17時~ 配信先:Apple Music、Spotify、Amazon Music <参考資料> ※1:厚生労働省|「一般職業紹介状況(令和6年6月・令和5年6月)」