しまった、1匹も釣れなかった…大丈夫、刺し身の自販機あります。無料の氷もあるから安心
24時間いつでも新鮮な海産物はいかが-。ヒラメ加工販売や海ぶどう養殖を手がける森水産(鹿児島県垂水市)が昨年3月、会社近くに「海ぶどうと魚の自販機」を設置した。昼夜問わず飲料品と同じように気軽に買えるとあり、地域住民をはじめ県外からの釣り客らから人気を集めている。 【写真】「海ぶとうと魚の自販機」の設置場所を地図で確認する
森正彦社長(70)によると、海ぶどうなどは「道の駅たるみず」に卸していたが、利用客から「売り切れていた」「閉店していて買えなかった」といった声が寄せられた。ちょうど販路拡大を考えていた時期。国道220号沿いに簡易なコンテナハウスを設け、中に業務用自販機を並べた。 海ぶどう(800円)は20度、刺し身盛り(400円)は4度に保ち、賞味期限切れは購入できないよう設定した。長時間の持ち運びも考慮し無料の氷も常設する。売り上げや在庫をスマホアプリで管理できるよう次男の正秋さん(38)も協力し、売り上げは月50~60万円に上るという。 宮崎県都城市からイカ釣りに来ていた会社員永山雄一さん(41)は、釣りのついでに何度か足を運び「子どもたちに食べさせてあげたい」と海ぶどうを購入。鹿児島市の獣医師古川誠さん(49)は「通りかかるたびに気になっていた」と、自販機の前で物色していた。 海ぶどうを販売する自販機は全国で唯一という。森社長は「買いたいときにすぐ買える便利さが受け入れられたのでは。釣果がない釣り人の朝方の利用も多いようだ。今後も消費者の目線でおいしい海産物を広めたい」と意気込んでいる。
南日本新聞 | 鹿児島