強豪校退学から硬式野球クラブで狙うプロ 17歳と思えない対応力とパワー見せる大型内野手
好きな言葉は「努力は必ず報われる」
GXAスカイホークスは野球の競技団体に加盟していないため、公式戦の機会がない。独立リーグ等とのオープン戦が、腕試しの貴重な場だ。木村は時間を見つけては硬式球対応のバッティングセンターに通い、140キロ超のボールを打ち込む。午後の通信課程の授業を約2時間受けた後は、自宅の庭に設置された鳥かごで、納得いくまで置きティーを繰り返す。オリックス・杉本裕太郎の練習法を参考に、長打力を磨いてきた。集中力を高めた豊富な練習量が、不安視された実戦不足を埋めている。相手チームを圧倒するフルスイングの源は、ウエートトレーニングの賜物だ。 守備は三塁、遊撃を練習しており、強肩を生かした安定した送球、ハンドリングの良さが武器。大型内野手として成長著しい。 すでにNPBの1球団が視察に訪れ、副島監督の下には複数球団から問い合わせもあり、今後、周辺が騒がしくなることが予想される。強豪大学からも熱視線が注がれており「右の強打者・木村」の名は広がりを見せている。 好きな言葉は「努力は必ず報われる」。木村は言う。 「野球に限らず、自分のように一度挫折し、思い悩んできた人たちに、野球を通じて『やれるんだ!』というところを見せられるようにしたい。さまざまな面で支えてくれた両親にも、野球で恩返しをしたいと思います」 純粋に白球を追う木村に、迷いはない。運命のドラフトまで、今できることに専念する。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール