「指導者の外部委託にはある程度のインセンティブが必要」部活動中の事故防止に向け専門家が指摘
テレビ愛知
増える部活動中の事故。防げない事故もありますが、専門家は「指導者が防げる事故もある」と言います。部活動中の事故を防ぐために指導者が注意しなければいけないことについて、スポーツ危機管理学が専門の日本体育大学の南部さおり教授に聞きました。
南部教授: 「昔と比べて子どもが外で体を動かして遊んだり、スポーツの機会がかなり失われてきているので、慣れていない動きを急にすることでけがをする。部活動を指導する人は、自分たちが選手だったり、子どもの頃受けてきた指導をそのまましてしまう人が多い。自分たちが子どもの頃と、今の子どもたちの身体能力はかなり変わってきていることは意識する必要がある」 また指導者の努力が必要だと訴えます。 南部教授: 「自分がその競技に携わる以上は、全国でどういう事故が起きているとか、同じような環境でこうした事故が起きやすいという情報収集を行い、自分の指導する環境に合わせて対策をとることが望まれる」
ただ、教員の負担を減らすため、部活動の指導者は外部委託が進んでおり、個人の努力に委ねるのは限界があると言います。 南部教授: 「外部指導者であれば、ボランティアベースで仕事の傍らやる人が非常に多い。そういう人に競技特性や子どもたちの安全配慮について自主学習で習得しなさいというのは、かなり無理があり酷。自治体等がそういったこと(子どもの安全講習)を学べる機会をきちんとつくり、必ず受けるという仕組みをつくったほうが安全の意識は高まる」 さらに海外では… 南部教授: 「欧米等ではスポーツ指導に関して、きちんとしたインセンティブが支払われている。日本の場合は(部活指導は)ボランティアベースになってくるので、その先生にお願いしている手前、あまりうるさいことは言えない。 きちんとした報酬を支払って、職業として成り立てば、自分が重大事故等を起こしたりコンプライアンス違反があったりすると、その仕事を失ってしまうかもしれないと考えるとおのずと気を付けるようになる。なので、ある程度のインセンティブが必要だと思う」
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