支持者やスタッフと握手して感謝の意を伝える金濱さん（右）＝27日午後8時20分

　他候補の当選確実報道を受けて午後8時20分、青森県八戸市の事務所に姿を見せた金濱亨さんは、支持者やスタッフと握手して感謝の意を伝えた。報道陣の取材に「県民に党の（経済）政策の必要性を伝えきれなかった悔しさがある。一方で比例では党の議席獲得に貢献できた。自分の復活当選は厳しい状況にあるが、信じて待つしかない」と冷静に語った。 　政治の道を志し、県立高校教員を辞して昨年4月の県議選八戸市区に出馬。落選後、国民民主党で国政を目指す決意をした。県民になじみの薄い党名と自らを売り込もうと、同5月から八戸市内外で始めた街頭演説は公示前に1540回を超え、周囲から「演説が上手になった」と評されるまでになった。 　選挙期間中は「どぶ板選挙」を貫き、町村部の小さな集落も回ったほか、のぼりを持って幹線道路沿いや住宅街を歩いては道行く人へ気さくに話しかけ、「36歳、2児のパパです」とアピール。さらに交流サイト（SNS）を積極的に活用し、若い有権者と街頭で会うたびに自身の公式SNSを紹介し「友達にどんどん拡散して」と呼びかけた。 　選挙戦が進むにつれ、SNSを通じた応援メッセージが次々と寄せられ、街頭演説後には「頑張って」と駆け寄ってくる人もいた。じわじわと支持が広がっているのを肌で感じながら「もっと追い風が吹いてほしい」と祈り続けたが、小選挙区では「2強」候補の高い壁を突き崩せなかった。