当選確実の報を受け支援者と抱き合う岡田さん＝27日午後11時3分

　「私に期待してくれた人にも、懐疑的な人のためにも青森の暮らしを希望あるものにするのが私の使命だ」。当選確実と報じられ午後11時2分、青森県弘前市の事務所に詰めかけた支援者らの前に姿を現した岡田華子さんは、晴れやかな笑顔で決意を語った。 　政治を志したきっかけは待機児童問題に関する2016年の国会質疑。国会での質問を機に、保育園が次々とできていく様子を見て「政治で暮らしが変わる」と実感した。それでも、育児の負担が女性に大きく偏り、キャリアを断念せざるを得ない環境は変わらない。「制度を変えるしかない」。政治経験はなく子育てしながら働く女性が、国政への挑戦を決めた。 　昨年10月の出馬表明以降、週末に東京から地元へ帰り、リンゴ農家や地域の経営者らと対話を重ねた。「東京に住んでる人に地域のことが分かるのか」「子どもが一番お母さんといたい時期に選挙に出るなんて、権力が欲しいのか」。心ない言葉も数々浴びたが、「子どもたちに暮らしやすい社会を手渡したい」とくじけず活動を続けた。 　対立候補の自民党前職に派閥の裏金問題やパワハラ疑惑などが次々と浮上。それでも前職への批判は抑え、「青森にワクワクする仕事をつくりたい」などと語り続けた。終盤、圧倒的な知名度と組織力を誇る前職との戦いに対し「誰に聞いても自民党支持。ものすごく厳しい」と不安をのぞかせる場面もあったが、ギリギリの接戦を制した。 　勝因については、「自民党派閥の裏金問題の処理が不誠実だったのと、今の生活に対する不安が追い風になったと思う」と答えた。目指すべき政治家像を問われると「この地域には諦めている人たちが多い。将来の見通しを示せる政治家になりたい」と語った。